勝って、兜の緒を締めよ

今週、ゼミプロジェクト活動の一環で島根県の企業を取材して来ました。

好業績を永く続ける会社に共通する点をいくつか確認しましたので共有します。

取材した企業は、昭和43年創業。26歳で創業した先代社長は、非常に勉強家で、今から20年以上前に、社員を大切にする強いおもいが感じられる経営理念を定めています。更に当時から、社員参画型の経営計画を立て、その進捗状況を定期的に確認し、組織的な会社経営を進めています。

創業者の長男である現社長も努力を怠りません。「人財育成が大切です。」と語り、社員の人間力向上のため、自らペンを取り、数十ページに及ぶ小冊子を作成し、社員教育に手間と費用を惜しみません。

結果、営業利益率は5%を超え、10%を目標にしています。自己資本比率は68.5%で、実質のそれは90%を超える超優良企業です。

その他、未来に向け様々な施策を講じる姿勢は、いい会社に共通するものです。盤石の上に更に、これでもか、これでもかと、たゆまぬ努力をする経営者の姿勢に、明治の偉人を思い出しました。日露戦争の勝利に国内が酔う中、連合艦隊解散の辞を著した東郷平八郎元帥です。以下その一部をご紹介します。

連合艦隊解散の辞(現代語訳より一部抜粋)
神は平素ひたすら鍛練に努め、戦う前に既に戦勝を約束された者に勝利の栄冠を授けると同時に、一勝に満足し太平に安閑としている者からは、ただちにその栄冠を取り上げてしまうであろう。

昔のことわざにも教えている「勝って、兜の緒を締めよ」と。

明治三十八年十二月二十一日 連合艦隊司令長官 東郷平八郎

こうしてみると、永く続く組織の未来は、その責任者の基本姿勢にかかっていると言えます。

春木清隆

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