EU離脱を選択した英国国民投票

法政大大学院 坂本光司ゼミ 修士2年 根本幸治

16年6月23日(金)実施された英国の欧州連合(EU)への離脱か残留を問う国民投票は、
国論を二分した論戦の末、52対48の僅差でEU離脱に決着した。

英国民投票での対立軸が興味深い。

労働者階級(離脱)対中産階級(残留)
高齢者(離脱)対若年者(残留)
地方在住(離脱)対都市在住(残留)

「移民から雇用などの脅威を受ける、地方在住で恵まれないと感じる旧世代」が勝ち
「移民により利益を得る都市在住で高学歴のコスモポリタン(国際人)」が負けた。
欧州大戦を繰り返すまいというEU理念に亀裂が入った。

これを受けて世界同時株安、円高急進。
国際貿易に支障をきたす連想から世界的な景気後退が懸念された。

おそらく、移民流入のスピードがこれほどまでに急激でなければ、
資本主義を発明した冷静な英国人が感情的に離脱を選択することはなかったかと思われる。
流れは波及する。米国大統領選挙でも排他的・反グローバル化が選択されるのか?

坂本ゼミでは、国内420万社の企業の中で
景気に左右されない景気超越型企業(シェア1割)になれと指示される。
景気に連動型企業(2割)、構造的不況企業(7割)が圧倒的だが。

株式投資をされている方は、どうしてよいか困惑されただろう。
この答えも簡単で、下がれば買い、上がれば売る。 大衆の流れに乗らないのが長期投資。
相場動向を祈ったり、他者の動きを気にする必要は全くない。

6月24日(土)は中国の経営者12名程が坂本先生にアドバイスを聞くため訪れた。
先生は、改めていい経営についての指針を示され、日本の職人魂を勧められた。

社員と家族を大切にする経営の実践し、経営の目的は人の幸せの実現である。
10%以上の営業利益を求めることなく年輪経営(成長を急がない)に徹する。
景気の流行を追わず、価格競争をせず、経営情報を公開し、社会に貢献する。

共産主義の中国から坂本先生が描く”いい会社”が多数出現するとき、
世界に新しい風が吹くことになる。 おもしろい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

「EU離脱を選択した英国国民投票」への1件のフィードバック

  1. 根本さん
    なるほど、と思えるためになる投稿!
    ありがとうございます
    本田佳世子