長寿企業

先週、東京商工リサーチから2017年に「周年記念を迎える企業」調査結果が発表されました。その発表から、2017年(平成29年)に50年、100年、200年、300年を迎える周年記念企業(以下、周年企業)は全国で2万4,670社。創業100周年は、2017年4月1日に(株)SUBARUへ商号変更を予定している富士重工業(株)、多くのファンを持つ光学機器メーカーの(株)ニコンなど、世界有数のメーカーに成長しています。創業300周年は、注目の抗がん剤「オプジーボ」などを手がける大手製薬メーカーの小野薬品工業(株)など、酒造会社や薬品メーカーなどが目立っています。

創業300周年を迎える主な企業の中から、酒類卸の(株)ぬ利彦を調べてみました。創業は、1717年。以下、同社のHPから歴史を年表形式でたどってみます。

1717年 創業
      小田原までの商用も日帰りではたした健脚ぶりは「天狗の彦七」と渾名されるほど。
      この篤実さ、俊敏さをモットーにした商いのこころは、お客様を第一に考える「ぬ利彦」のこころとして
      今日でも生き続けています。
1830年 三代目彦七は両替商を開業
      酒醤油を関八州に販売するようになったほか、両替商の「江戸八天秤の一」として
      数えられ諸大名とも取引をおこなうなど、商いを大きく発展させました。
1830年 三代目彦七は両替商を開業
      長雨、洪水、冷害による大凶作から、江戸の米価は暴騰したために、蔵を開いて
      安売りや在庫の売却に努めました。
1892年 「東京卸酒販組合」を結成
      新しい時代の到来をいち早く察知した六代目彦七は、家業の発展ばかりではなく
      業界の発展と調和のために、百余名の有力者とともに、現在の「東京卸酒販組合」
      を結成。
1906年 宮内庁御用達となる
1922年 七代目彦七は鉄筋コンクリートの倉庫建築
      当時、最先端の建築技術であった鉄筋コンクリート工法の倉庫は、関東大震災にも
      焼失をまぬがれました。
1944年 八代目彦七は「国民酒場」を開設
      第二次世界大戦のさなか、働く人とともに”一合の酒の尊さ”人生の喜び”を分かち
      合うために、八代目彦七は「国民酒場」を立案。都内177ケ所に開設して、酒、
      ビール、ウイスキーの公平な配給に努めました。
1962年 無線車・冷蔵庫による配送業務開始
      タクシー無線よりも早く配送車に無線装置を搭載。キメ細かく、迅速なサービスを
      可能にしました。また、業界に先駆けて冷蔵倉庫、冷蔵車を導入。冷えたビールを
      すばやくお届けできるようになりました。
1970年 IBMコンピュータシステム導入
1979年 九代目彦七襲名
      酒類販売ばかりか、 コンピュータやギャラリーにと、意欲的にビジネスの幅を
      広げる。
1982年 IBM特約店契約
      日本IBMが特約店制度採用と同時に、ぬ利彦は第一次特約店に選ばれました。
2010年 株式会社ぬ利彦ITソリューションズ設立
   
こうして300年の歴史を俯瞰してみると、長きにわたり繁栄している会社は、
①利他行為の実践ほか、
②本業の周辺分野で小さな革新を積み重ねる 
③中長期を視野に大胆かつ緻密な投資と
「人を大切にする経営」との共通項が確認されます。
諸行無常のこの世。前へ前へと挑戦し続ける決意を新たにした今週でした。

今日も皆さまにとって、素晴らしい一日になりますように。

春木清隆

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