八天堂

法政大大学院・坂本光司ゼミ 修士3年 根本幸治

八天堂

創業昭和8年、広島県三原市に本社を置く八天堂は、
とろける究極のくりーむパンを製造販売する会社として有名。
地元では昼前に完売する。東京では東京駅、品川駅、恵比寿駅などで購入できる。
広島空港に隣接する製造工場から空路で東京までわずか1時間半。
パンの生地の柔らかさも独特で、スイーツバーガーとして新製品が誕生する。
これは、果実農家とのコラボとして6次産業のビジネスモデルとしても注目されそうだ。

経営者は3代目の森光孝雅代表取締役。
彼の情熱の熱量は半端ではない。
社員を心から愛し応援するその本気度が社員の魂に火を付ける。
新卒採用では学生の両親の下に出向き、社長として本人の成長を約束する。
そして、仕事場に両親を招き一人前の社会人としての活躍を見てもらう。
社員との昼食会、懇親会は互いの本気の意志疎通のコミュニティとなっている。

とことん家族主義経営の熱い社長は、
生来の楽観主義からではなく、自殺も考えた地獄の経営苦から生まれた。
慎重な先代である父親を軽蔑するように強引に拡大戦略を取ったことが裏目に出て、
信頼していた社員が次々と辞めていき、経営は破綻を目前にしていた。
その時、離れてパン屋を地道に経営していた弟が、なけなしの大金を提供してくれた。
さらに、先代の父親が声を掛けてくれた。
「これほど苦しむお前を助けてやれなくて申し訳なかった」

森光社長はこのエピソードを思い出すと今も涙があふれだす。
自分の生意気なこれまでの態度を心底から反省し、
これからは人を喜ばすことだけに生きようと決意する。
社員を評価するに当たり、スキルを増すよりもマインドを増すことを重視する。
おもてなしを否定し、それを上回る親切の心を置くことを社員に教育している。

そんな森光社長が八天堂便り17年5月号「今月の格言」として、こんな言葉を掲載している。
【許す】 まずは自分の全てを許し肯定する。自分を許せるから相手を許せる。
【仁恕】 思い遣り。自身へ思いやり、相手を思いやり、未来を思いやる。

「人生今日がはじまり ここから挑戦」

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