第8回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞}の応募受付中だ

第8回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞}の応募受付中だ。
自薦、他薦、11月6日が締切。

応募資格
今回から 注2) 本人の希望等で、障がい者手帳の発行を受けていない場合は実質で判断するが追加された。

過去5年以上にわたって、以下の5つの条件に全て該当していること

1.希望退職者の募集など人員整理(リストラ)をしていない

2.仕入先や協力企業に対し一方的なコストダウン等していない

3.重大な労働災害等を発生させていない

4.障がい者雇用は法定雇用率以上である

  注1) 常勤雇用50人以下の企業で障がい者を雇用していない場合は、

  障がい者就労施設等からの物品やサービスの購入等、雇用に準ずる取り組みがあること

  注2) 本人の希望等で、障がい者手帳の発行を受けていない場合は実質で

  判断する

5.営業黒字(除くNPO法人・社会福祉法人・教育機関等)である

https://taisetu-taisyo.jimdo.com/第8回大賞募集/

享年、6月の記事を参考にして欲しい。
【企業インタビュー】 (株)マルブン 眞鍋明氏
掲載日:2016年6月14日更新
「社員が考えた『日本で一番やさしい企業』を目指して」

 シリーズ累計60万部を超えるベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』(著者:坂本光司(法政大学大学院教授))をお読みになられた方は多いかと思います。

 この本に関連し、2010年から実施されている「『日本でいちばん大切にしたい会社』大賞」(主催:人を大切にする経営学会)において、今年3月、第6回審査委員会特別賞を受賞した(株)マルブン 代表取締役 眞鍋明氏にインタビューさせていただきました。
Q. 受賞おめでとうございます。早速ですが、今回応募したきっかけは。
 当社では、人材育成を継続的に、また権限委譲し、実施しています。この人材育成担当者と今年このイベント(表彰式)を見に行こうという話をしていたところ、知り合いの坂本光司(法政大学大学院教授、人を大切にする経営学会会長)ゼミ出身の経営者の方が「ぜひ、マルブンさんが応募を!」という話になりました。

私自身、絶対に賞は取れないと思っていましたが、審査基準(※1)が明確になっていることから、うちの会社にどこが足りないのかが分かる良い機会かなと思い、その方に推薦してもらい応募しました。
(※1)「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞応募資格

過去5年以上にわたって、以下の5つの条件に全て該当していること
1.人員整理を目的とした解雇や退職勧奨をしていないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)

2.外注企業・協力企業等、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと

3.障がい者雇用率は法定雇用率以上であること(常勤雇用50人以下の企業で障がい者を雇用していない場合は、
  障がい者就労施設等からの物品やサービス購入等、雇用に準ずる取り組みがあること)

4.黒字経営(経常利益)であること(一過性の赤字を除く)

5.重大な労働災害がないこと(東日本大震災等の自然災害の場合を除く)

Q. そもそも「イベントを見に行こう」と思われたのは、いずれ応募を考えていたからですか。

 応募しようとは思っていなかったのですが、この審査基準に沿うような会社にならないといけないと思っていました。

 社員さんにとって働いていい会社にしたいと思っており、これら賞の基準と当社のどこが違うのか知るため、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」と「日本経営品質賞」(主催:経営品質協議会)を勉強していました。

 「外食企業だからどうだ」「売り上げ規模が云々」ということではなく、これら受賞企業と変わらない基準で、世間からすごいなぁと思われる企業になれば、いい会社になるかなと思ったんです。

Q. 今回の受賞理由が「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞のホームページで公開(※2)されて
   いますが、そもそもこのような考え方に至った転機は何かあるのでしょうか。

 会社の目的を突き詰めて考えていくと、働く社員さん、パートナーさん、アルバイトさんの幸せにあるとわかりました。
彼らが「働いてよかったな」「入ってよかったな」と働くことが目的ではなく、働きながら人間力が上がったり、人間性が良くなったりすることを目的としてもらいたい。

 世の中に必要とされる人となるかが重要であり、収入はその結果です。たくさん必要とされれば給料は上がるし、そこそこであれば給料も上がらないのです。

(※2)受賞理由

(1)地元40軒の農家とタイアップ  (2)適正価格で仕入れ  (3)離職率実質ゼロ  (4)ビジョンは「ありがとうレストラン」

(5)世のため人のためになる人財を育てる  (6)無人駅前に本店(お世話になった地域を大切に)  (7)双子の兄弟の夢を叶える

Q. 受賞理由で「地元農家とタイアップ」が評価されていますが、これはどういうことですか。

取り引きのある農家さんたちの幸せも考えないといけないと考えています。

よりよい食材を探すとき、地域外に探しに行きがちなのですが、実は地元にあることに気づきました。

 しかしながら、農家さんとの接点は無く困っていたとき、西条産業情報支援センターの支援員が農家さんにつないでくれました。県内200軒ほどの農家さんとお会いし、現在、四国中央市から宇和島まで40件の農家さんと取引をしています。

 通常、飲食店が仕入れる際は値切るのが普通ですが、当社が求める品質であれば一切値切らず、僕が「なんぼ?」と聞き、答えてもらった言い値で取引をしています。

Q. 農家さん選びの基準はありますか。
 生産者さんが誇り、こだわりを持っているかです。

 オーガニックが流行ですが、私はオーガニックにこだわっているわけではありません。農家さんが自身の強みを分かっていなければ、マッチングはできません。

 生産者さんとは言い値で取引をしていますが市場の野菜の価格が変動しても取引価格は変えません。彼らの強みに価値を置いているからで、それは信頼関係によるものと思っています。

Q. (4)の「ありがとうレストラン」というビジョン、どのようなものなのですか。

 大手チェーンの飲食店の価格も提供スピードも素晴らしいと思いますが、「ありがとう」「ごちそうさま」とはなかなか言ってもらえません。

 一方、当社はお客さんから高いと言われることがありますが、実は25年前から値段は大きく変えていません。

 まわり(外食産業)が価格を下げる中、当社はバターやオリーブオイルなど食材を良くすることで、価格は変えず、質の追求をしました。

 小松に昔ながらあるローカルレストランなので、食堂時代からの田舎らしいサービスでもって、お客様との距離を縮め、「ありがとう」と言われるレストランを目指したいと考えています。

Q. 外食産業ではマニュアル教育が一般的です。それに対し、『ありがとうレストラン』のビジョンを
浸透させるのは難しくはないですか。

 求人の段階で、入社後も勉強してもらうことは伝えています。

 「働くとは何か」、「なぜ働くのか」、「なぜ世の中に貢献しなければならないのか」、「世の中に必要な会社か、必要じゃない会社か」、「店も人も必要か必要じゃないか」、「どんな仕事も本気でやれば楽しい」ということを徹底的に教え込んでいます。

(3)「離職率実質ゼロ」は近年離職率の高さが社会問題化していること、また雇用の確保が大変な状況のなか、
素晴らしいですね。

 「実質ゼロ」というのは独立と結婚退職は除く、ということです。現在の求人難については、数年前に感じ、ホームページをリニューアルしました。

 また、採用のハードルも上げています。誰でも入れるわけではない。

 人が足りないからと言って、誰でもウェルカムとすると、十分なマッチングができていないから、離職率は高くなると考えています。そのため、当社では5回面接します。

 それでも判断が難しい場合は半年間アルバイトで働いてもらうなど、結果的にお互いがマイナスにならないようにやりとりすることが、このような結果に繋がっているかと思います。

Q.従業員という点で、大賞の応募要件には「障がい者雇用」にかかる項目もありますが、御社では
  どのような取り組みをされていますか。

 障がい者雇用は外食産業であるため、一番ハードルが高かったです。

 法定雇用率では、50名以上の会社は2%以上雇用することとなっていますが、現在、当社では正社員20名程度に対し、障がい者の方が2名です。

 最近、障がい者によるパン屋さんなどさまざまなお店が見られますが、なかなか成功していないように思います。

 その原因は障がい者に何ができるかではなく、マーケティングで重要となる「誰に売るか」という点を考えていないためと思われます。そこで当社では障がい者を雇うためには、店で出すメニューをパーツ化して、そのパーツを作ってもらうようにしています。

 実際に障がい者の方に働いてもらっている店では、厨房を広めにしています。加えて、その店の二階には障がい者雇用のためのNPOの事務所を設け、その事務所を訪れた人たちに対し、店で働いてみるか声を掛けています。

 雇用の際は、半年間程度インターンシップを行っています。ここでもマッチングが重要で最終的にその人自身が「ここで働きたい」と思わなければ、雇えないのです。

 あと、出勤の際は、親などの世話なしに一人で出勤してもらうこととしています。障がいを持つ子どもは親に依存するのですが、親も子どもに大きく依存しています。これでは自立ができない。そのため、親御さんは心配だけれども一人で出勤してもらうこととしています。実際、今では一人で普通に出勤してくれています。

 障がいをもった子は、そもそも親や先生、地域の方々などにお世話になった経験から、何か社会貢献をしたいと根っこに思っている子が多いと感じています。

Q. 「障がい者雇用」をして悩んだ点などありませんでしたか。
 やってみてわかったのは、失うものはなく、良いことしかなかったということです。
 慣れるまでの時間は必要ですが、今では健常者と変わらない仕事をしてくれています。
 また、彼らの中にはとても繊細な性格の子もいるので、それに合わせて職場のスタッフが優しくなったり、説明も丁寧になるなど、社内のもめごとが減り、まわりにもいい影響を与えてくれました。

将来的に障がいを持つメンバーもレストランのホール、キッチンに出てくることが理想です。

Q. 最後に眞鍋社長の夢はなんですか。
  「日本で一番やさしい企業」になることです。でもこれは社長の私抜きで社員がつくったビジョンなんです。

Q. 社長抜きなんですか。
 私はもちろん社員含めて、仕事というのは未来を創るところだと思っています。一日の大半は仕事に費やされるので、人生において非常に大事な時間です。職場でしかコミュニケーション能力であったり、商品開発力などさまざまな能力は鍛えられません。

自分の未来を実現できるのが会社であり、そういう人たちが集まってきてくれたらいいと思っています。

ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です