日曜日に休む食品スーパー、体に害の食品は売らない~株式会社まるおか(高崎市)

 9月30日(土曜日)のゼミで坂本教授は坂本教授が主宰する神田経営者クラブに招いた株式会社まるおか(高崎市)の丸岡守社長の話を紹介した。
 その前段で、人事異動により単身赴任となった父と会えなくなった小学1年生の女の子の悲しみがこもった手紙を披露、従業員とともに家族を大切にすることの重要さを強調している。その上で、従業員の家族のために「日曜日を休む食品スーパーがある」と話した。
 「郊外型の食品スーパーなら日曜日の売上高は平日の3倍ぐらいになるが、同社は利益を犠牲にしている。書き入れ時の正月も4日まで休みにしている」と指摘。さらに「体に害を与える食品は売らない店です」として紹介した。以下、丸岡社長の講話を報告する(カッコ内は、配布資料などによる補足説明)。(研究生/中小企業診断士 神原哲也)
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 「まるおかの店舗は1店舗だけ。店舗面積は145坪。最近、移転しました。従来は130坪でした。新しい建物は木造にしました」
 「元々は普通の小さなスーパーでした。上州屋設楽彦吉商店(山梨県上野原市)にハイクオリティをやらないかと言われ、カジマート津幡店(石川県津幡町)を視察しました。こだわりの品を置いてみましたが、併売していてもだめだとわかり、こだわりに特化していきました(NBナショナルブランドを扱わない食品スーパーになった)」
 「大型店が出てきたら土日はやられる、そこで平日に頑張ることにして、日曜日は休むことにしました。そしたらパートさんが喜んでくれました」
 「正月を4日まで休むようにしたのも、2日から初売りだとパートさんが嫌がり、辞めるからです。31日は朝11時から夜8時まで。お客さんは買いだめをしてくれます」
 「まるおかはチラシは入れません。コストがかかるからです」
 「商圏は群馬県全域、軽井沢(長野県)など遠方からも見えます」
 「お客様の来店動機は、このお店しかないものがある、味・鮮度・品質が良いものが多い、店員の対応が丁寧で親切、の順番」
 「客単価は3500円以上。普通のスーパーの2倍ぐらいです」
 「わからない商品は味見してもらいます。社長推薦シールを貼っているので、それを目当てに買われる方もいます」
 「(商品の一例)想いやり生乳(1620円、720ミリリットル)は日本で唯一の無殺菌の牛乳。60度で30分の低音殺菌もいいが、無殺菌が一番いい。牛乳アレルギーでも飲めます。NHKスペシャルでやっていましたが、日本の場合はなんでも無菌にする、自然の素材を摂ることが大事です」
 「自然栽培米というのもあります。肥料もやらない。農薬もまかない。土壌中のミネラルで育てます」
 「大量生産、販売している食品は良くありません。アメリカでは『小麦は食べるな』という本が売れています。小麦や大豆などは遺伝子組み替えをやっているからです」
 「消費者は裸の王様、コマーシャルに負けます。その結果、3人に1人がアトピーになります。病気にならないようにするには自然のものを摂ることです」
 「お惣菜は12-13人でやっています。大型店は数人もいません。それも加熱するだけで調理はしてないことが多い、です。(まるおかは、和洋中の元コックが一品一品手作り、保存料や着色料はほとんど使っていない)」。

神田経営者クラブ 向かって左が坂本教授、右が丸岡社長

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