19.仕入先や協力企業等に対し、季節商品といえども可能な限り安定発注を心がけている
100の指標
100 indicators
【2.社外社員(仕入先・協力企業等)に関する指標】
【2. Indicators for outside employees who work with suppliers and other cooperating companies】
19.仕入先や協力企業等に対し、季節商品といえども可能な限り安定発注を心がけている
19. Ordering is held stable, as much as possible, even considering seasonal items.
新潟市に「ダイニチ工業」さんがある。
主力商品は暖房器、年中、在庫を抱えている。パートナー企業さんのためだ。
師匠 法政大学大学院 坂本 光司教授のネット記事から。
ダイニチ工業~協力企業・外注企業を大切にする上場企業【第134回】
新潟市の郊外に「ダイニチ工業」という社名の企業がある。社員数は約500名、東証一部上場企業であるので知られた企業である。
同社の主事業は石油ファンヒーターや加湿器のメーカーで、両商品とも業界ではトップブランド企業である。
中小企業の専門家である筆者が、なぜ今回、同社をあえて取り上げたというと、大企業また上場企業でありながら、業績志向・自利志向の経営ではなく、幸せ志向・利他志向の経営を1964年の設立以来、愚直一途に実践してくれている、いい企業だからである。
同社の特筆すべき「いい経営」は随所に実行されているが、ここでは協力企業・外注企業に関することを紹介する。
周知のように、わが国の自動車メーカーをはじめ大半の大企業の生産システムは、無倉庫・無在庫経営、「必要な商品を必要な数だけ必要な時に」、つまり、ジャストインタイムといった経営である。
しかしながら、世の中は天変地変などもあり、理想どおりにはいかず、だれかが、とりわけ弱い立場にある企業が、在庫を肩代わりしているのが偽らざる実態である。
こうした中、業界の常識とは全く異なる外注政策を愚直一途に実践し、協力企業・外注企業から高い評価を受けているのが、ダイニチ工業である。
上述したように、同社の主力商品は、石油ファンヒーター、つまり冬物商品である。
この商品は春先や真夏に購入する顧客はほとんどいない。それゆえ、生産効率を考えれば、売れ始める秋口から冬にかけて集中生産すれば、多くの倉庫や多くの在庫を持たなくてもいいことになる。
しかしながら、当社はこの季節商品の生産を、年がら年中平準生産をし続けているのである。
つまり全く売れない真夏にも、もしかしたら暖冬等で販売数量がダウンするかも知れないのに、黙々と毎月一定量を創り続けているのである。
その最大の理由が見事である。吉井社長は、このことについて「協力企業・外注企業さんへの配慮です」と明言する。
吉井社長は「当社の社員数は約500名、協力企業・外注企業で当社の部品を毎日生産してくれている協力企業・外注企業の社員数は、約500名です。彼ら彼女たちの協力がなければ当社は存在できません。
また当社の協力企業・外注企業は総じて規模が小さく、当社への取引依存度が高い企業が多く、こうした企業に冬場だけ仕事を発注するから、いい商品を創ってくれ…は、正しくないし、不自然だ…」とまでいってくれた。
先日(9月上旬)同社を久方ぶりに訪問し、工場内をくまなく案内していただいたが、北海道等への出荷がスタートしたとはいえ、相変わらず工場内・倉庫内には、高い天井に届かんばかりに製品が山積みされていた。
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