<視覚障害議員>新潟市議の青木学さん「できること考える」
貴重な議員の存在を知って欲しい。
<視覚障害議員>新潟市議の青木学さん「できること考える」
12/27(水) 21:49配信
毎日新聞
<視覚障害議員>新潟市議の青木学さん「できること考える」
常任委員会で点字の資料を読む青木学・新潟市議=新潟市議会で2017年12月15日午前10時2分、藤井達也撮影
◇都道府県議会と政令指定都市議会を通じて、ただ一人
全国の都道府県議会と政令指定都市議会を通じてただ一人の視覚障害者の議員が、新潟市議会で活動している。
現在6期目の青木学さん(51)。全盲のベテラン議員は20代で初当選して以来、四半世紀近くバリアフリー社会の実現を訴えている。
「LCC(格安航空会社)はサポートの必要な人たちにきちんとした対応ができると、市は確認しているのか」。
15日の市議会常任委員会。新潟空港(新潟市)に来年3月、初めてLCCが就航することに関連して、青木さんは市の担当者に問いかけた。奄美空港(鹿児島県奄美市)で今年6月、別のLCCを利用した車椅子の男性が搭乗する際、階段式のタラップをはうようにして上る事態が起きていたからだ。
委員会の資料は、市側が点訳して前日に配られる。資料が大量にある場合はデータの提供を受け、自分のパソコンで必要な部分を点字データに変換するほか、画面の文書が読み上げられる音声ソフトを活用し、内容を確認する。
ただ、この日は別の委員の要請で、市側が急きょ数十枚の資料を追加配布。点訳の時間がなく青木さんにも活字の資料が配られた。「他の議員との情報量の違いを感じることや、質問を深められないことはある」。委員会終了後、打ち明けた。
青木さんは新潟県亀田町(現新潟市江南区)出身で小学6年の時に視力を失った。
1995年、社会党(当時)の推薦を受けて28歳で立候補し、初当選。
91~93年に米国の大学院に留学した際、健常者も障害者も分け隔てなく学んでいることに影響を受け、最初の選挙から、当時は今ほど広まっていなかったバリアフリーという言葉を公約に取り入れた。
当選後、市職員採用試験で点字受験の導入を市に働きかけ、新潟市が政令市に移行した2007年に門戸が開かれた。
長らく合格者は出なかったが、14年に全盲の女性が採用された。青木さんは言う。
「何ができないかを考えるより、何ができるかを考える。全盲議員にしかできない仕事が必ずある」【堀祐馬】
◇視覚障害者、全国に8議員
視覚障害者の議員は現在、国会や都道府県議会にはいないものの、
地方議会では新潟市の他に少なくとも、北海道千歳市▽埼玉県川越市▽千葉県柏市▽流山市▽東京都東久留米市▽神奈川県大井町▽高知県香南市--の計7市町議が活動する。新潟市の青木学市議によると、2000年代の初めごろには全国に15人程度の議員がいたものの各地で市町村合併が進み、合併を機に引退する議員もいて人数は減っているという。
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