「和醸良酒」で金賞受賞数、史上初6連覇の福島の日本酒! 陰で支え続けた「福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター」の活動が光る。

「和醸良酒」という言葉がある。仲が良くなければ、いい酒は作れない、という意味だ。2017(平成29)酒造年度の全国新酒鑑評会で、福島県は、金賞受賞数6年連続日本一の快挙を達成した。東北で最も多い酒蔵を持つ福島県。31銘柄が入賞し、金賞受賞は、兵庫県と同じ19銘柄(13市町村)だ。東日本大震災後は風評被害もあって県内の日本酒には厳しい状況が続く中、蔵元の経営者と従業員は苦労しながら、全国、世界で認めてほしいとの強い思いで挑戦を重ねてきた努力が実った。この快挙は、個人戦ではなく、団体戦で勝ち取ったともいえる。

福島民報の記事から2つを紹介する。
http://www.minpo.jp/news/detail/2018051851690
http://www.minpo.jp/news/detail/2018052251799

6連覇を影で支えたのは、清らかな水と酒造りに適した気候の会津若松市にある、「福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター」で、その功績は大きい。本来ライバルである県内の酒蔵30以上を繋いで、切磋琢磨をして更なる高みに導いてきた。鈴木賢二先生をはじめ同センターは、福島県オリジナルの「うつくしま夢酵母」の開発にはじまり、後継者不足で悩んでいた日本酒業界の要請に応えて熟練技術者の技を伝承するための酒造りマニュアルの作成、酒蔵の従業員が3年間通う「清酒アカデミー」のカリキュラム作成と人財育成、酒蔵への技術指導、醸造に関する試験研究、復興支援、放射能検査などを行って県内の酒蔵を支えてきた。

            

同支援センターでは、県内の酒蔵の半数が参加する、ずばり金賞獲得のための、「金獲り会」という研究会がある。本来ライバル同士の酒蔵が、互いにポジショニングや酒の味などについて、忌憚のない意見を交わし合って20数年になる。県内の酒蔵にとって、同支援センターは、なくてはならない存在となっている。

心を打つエピソードがある。浪江町で海の祝い酒として知られていた「磐城 壽(いわき ことぶき)」を作っていた鈴木酒造店の酒蔵が、東日本大震災の津波で跡形もなく流された。ダメージを受け、もう酒造りはやれないと気落ちする鈴木酒造店の鈴木大介さんへ、1本の電話がかかってくる。「福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター」の鈴木賢二さんからだった。「蔵の酵母がハイテクプラザに保管されて残っている。蔵の再建はできるから。」という驚きの知らせだった。偶然にも、震災前の鈴木酒造店の酒の酒母が残っていたのだ。それを知って、鈴木大介さんは、1筋の光が見えたという。早速、4月、ハイテクプラザで先生方の方針に従って、酵母の分離に取り掛かった。取り戻した酵母をもとに、会津の国権酒造の蔵を借りて試作酒を作ったところ、浪江町の人達が買ってくれて1日で完売した。その年の冬には第1号を仕込んだ。かつての「磐城 壽(いわき ことぶき)」の酒のエッセンスを感じられて鈴木大介さんは、嬉しかったという。

業界一丸となって美酒を追求し、さまざまな困難に立ち向かい、地域に根差した活動が評価されて、「福島県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター」は、「平成27年度ふるさとづくり大賞 試験研究機関表彰<総理大臣賞>」を受賞した。以下の動画をぜひご覧ください。同センターの活動が分かりやすく描かれています。機会があれば同センターを見学したい。
https://youtu.be/ao83Wzv5TOo  
(本田佳世子)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です