顧客満足度向上に思う

先日、「『お客様は神様』は正しい?
実は長時間労働生む大きな原因、問題はどこに?」
という情報をネット上で目にした。

○「お客様は神様」は正しい? 実は長時間労働生む大きな原因、問題はどこに?
 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180519-00010017-nikkeisty-bus_all

その情報によれば、「お客様は神様です」という言葉を生んだ
演歌歌手の故三波春夫氏は、お客様の言うこと、求めることを
果たすことが提供者の絶対的使命とは決して言っていないという。

記事で紹介されていた本当の言葉の意味としては下記の通りである。

「三波春夫にとっての『お客様』とは、聴衆・オーディエンスのことです。
客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者という
形の中から生まれたフレーズなのです」

「あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って
澄み切った心にならなければ完璧な藝(げい)を
お見せすることはできないと思っております。
ですから、お客様を神様とみて、歌を唄(うた)うのです。
(中略)
演者にとってお客様を喜ばせるということは絶対条件です」

つまり、「お客様は神様」というのは、提供する人(主)と
される人(客)の一般的な関係を指した言葉ではなく、
演者が観客を異界へと誘う、芸能という特殊な世界での
言葉だったのです。

それが、いつしか企業が自己犠牲を払い、
お客様にとことん尽くすのが当たり前という
捉えられ方に変わってきてしまったのだ。

確かに、お客様に嫌われた会社や商品・サービスに未来がない
というのは間違いではないとは思うが、
では、お客様が喜ぶなら、企業・社員が自己犠牲を払ってまで、
顧客満足を高めればよいのだろうか。
それは行き過ぎていると考える。

本学会会長である坂本光司氏も次のように話している。

「お客様は大事ですが、
お客様に提供する価値を創造するのは社員です。
顧客満足度を高めることは企業にとって必須ですが、
それは、お客様に喜んでもらえる、お客様を幸せにするための
価値を提供できる社員がいて初めてできることです」

「お客様が喉から手が出るほど欲している新たな価値、
リピーターになりたいと思う感動サービスの提供者は
誰かを考えてみてください。
鶏が先か卵が先かの議論ではなく、やはり社員が先です。
社員に幸せと感じてもらえて初めて、
その社員が恩返しのような形でお客様に感動を与えてくれるのです。
これが本来あるべきサイクルです」

私たち人間には満足の上限はない。
どんなに満足するサービス受けても、
次はそれ以上のサービスを求めてしまう。

しかし、お客様の満足を高めるために、社員が疲弊をし、
社員が満足度を低下させているのであれば本末転倒である。
お客様をファン化して、繋ぎ止めることは必要ではあるが、
そのための最善策は少なくとも、社員が苦しむまで行う
顧客満足ではないはずだ。

人を大切にする経営学会支援スタッフ 坂本洋介

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