ユニクロの3兆円企業を目指す目的を聞きたい

先日、あるアパレルの経営者との1時間程、お話をしました。

現在、日本のアパレルメーカーは、苦境に立たされているとのことでした。
クールビズ、礼服を切る習慣が希薄になるなど、世の中の価値観や慣習の変化、ZERA他のファストファッションメーカー、他、非常に厳しく、面談した経営者は、企業を売却した言われました。

そうした中で、ユニクロの一人勝ちです。

カジュアル衣料販売の「ユニクロ」や「ジーユー(GU)」などの店舗を運営するファーストリテイリング。17年8月期決算は、売上高が前期比4.2%増の1兆8619億円、純利益は前期比2.5倍の1192億円で過去最高益である。
ユニクロ銀座店は1F~12F全フロアがユニクロという世界最大規模のグローバル旗艦店。
国内では2位しまむらの3倍を超える規模があり、断然トップだ。海外企業と比較しても世界3位の座を確実にしつつある。          
                プレジデントオンライン11月9日記事より引用

そして、柳井さんは、日経電子版のインタビューで以下のように語っています。
「日本には経営していない経営者が多い」と以前話していましたが、真のトップとはどんな人でしょうか。

「成果を上げられるかどうかだ。会社は社会の公器で、特に上場企業は市場というところで自分の会社を売っているのと同じ。会社が評価されるのは、どれくらい成長したか、どれくらい収益を上げたか、人材を育成しているかというところだと思う。日本の悪い癖で、順送りでバトンを渡すような経営はダメだ。前の人と同じようなことをやっているんだったら、経営者は代わる必要がない」

成長することは悪いことではない。しかし、最終的な目的を、一度、聞いてみたいと思います。

一人勝ちということは、他のアパレル企業は、非常に厳しい状況になってると同意語です。

企業の目的は、競争相手に打ち勝つことでしょうか?
世界で一番売上が大きな会社になることでしょうか?

批判を恐れずに、率直に言えば、
「そんなものは、くだらない・・」
と大経営者と言われる柳井氏を、あえて批判したいと思います。

例えば、自社が開発した製品が、ガンを治すといった誰もを幸せにするものであれば、できるだけ多くの人に届くようにすることを目指すことは大切です。

しかし、アパレルは、ユニクロの服を着ても、GAPの服を着ても正直どちらでもいいのではないでしょうか?なぜなら、好みの問題であり、命に関わるものではないからです。

そうであれば、何のための世界1位でしょうか。一時は、5兆円といい、2016年には3兆円の目標を下方修正しましたが、何のための3兆円でしょうか?
崇高な目的があるのであれば、是非聞きたいと思います。

もし、売上が目的であれば、やがて衰退するのではないでしょうか?
売上指向であれば、売りつけ屋です。
顧客目線が大切だと普段から、柳井氏は言っていますが、その最終的な目的は、いかに売るか、売上3兆円に近づくか・・であれば、言葉を悪く言えば売りつけ屋です。

100年~200年と続く企業は、やくだち屋、つまり、関係者の幸せになるようなビジネスをする企業だと思うからです。
大和公彦氏がかつてまとめた整理として以下のものがあります。

売上指向→売りつけ屋
利益指向→儲け屋
資産指向→ためこみ屋
存続指向→ながもち屋
目的指向→やくだち屋
     
 「企業理念」 大和公春著書 Think World出版 より引用

企業は、関係者を幸せにする・・・役立つためにあるからです。

私は、経営者が夢をもち、ビジョンを掲げ引っ張んていくことは重要だと思います。
しかし、経営者の夢の追求のために、社員や関係者が窒息してしまうようなことであれば、単なる我儘、一人よがりではないでしょうか?

3兆円に向かう過程で、海外の下請会社へ過度なことを要求する以下のような記事だ出ています。

https://ironna.jp/article/948

また、横田 増生氏は、ユニクロ潜入一年といった書籍を出していますが、命がけでバイト店員として働きながら書いた潜入記事の内容が本当ならば、これでいいのかと思わざるを得ません。

企業の目的は、売上3兆円でしょうか?
社会の公器であるという柳井氏の言葉と、次々と出てくる売上利益を出すために出てくる悲惨な記事。さらに、横田氏の命がけのレポートが事実であれば、そのギャップを感じざるを得ません。

なぜなら、坂本会長が、繰り返し言うように、「企業経営の目的は、関わる全ての人の永遠の幸せの追求」だからです。

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