書籍『なぜこの会社に人財が集まるのか』【No17坂本研究室 2012年度 出版プロジェクト】

今回は、2012年度に坂本研究室所属の有志メンバーで取り組んだ株式会社商業界との出版プロジェクトについてその概要を紹介させていただきます。

<プロジェクトの背景>
一般的には経営の3要素といわれるヒト・モノ・カネ、あるいはこの3つに情報を加えることがありますが、人を大切にする経営では敢えて対比するとヒト・ヒト・ヒトとなります。ヒトがいなければモノやカネは意味を持ちません。ヒトがモノやカネを使って良い製品・サービスを生み出します。ヒトはもっとも重要かつ唯一の経営資源です。

中小企業の中には、数名の新卒採用枠に対して数千名が応募している場合があります。採用は狭き門となり数十倍、数百倍になることもあります。なぜなのでしょうか?

この出版プロジェクトはリーマンショックと東日本大震災を経験した2012年に企画されました。日本は約70%の企業が赤字ですが、その反面、過去10年以上にわたって売上高経常利益率5%以上である企業が約10%存在している日本。そんな安定的な黒字企業には共通項が見えてきます。
本書では人財の切り口から中小企業の現場に明るい未来を提供することを目的としています。
そもそもモノやカネをヒトと同列に位置づけることが間違っています。そのことを理解すれば、リストラを肯定するような経営や競合他社に勝つための経営が誤っていると気付き、社会に必要とされる企業への歩みを始めることができるでしょう。

<プロジェクトの流れ>
有志約20名の坂本ゼミ生がこのプロジェクトに参加しました。そして全国の事例を集めその中から主旨にあった企業を選びます。ある程度業種や地域を考慮し、メンバー各自が取材先を選びます。
取材先決定後、できるだけ情報取集を行い取材に伺います。事前準備は何よりも重要です。取材ではできるだけ先方の本質的なものに迫り、言葉を引き出せるよう工夫を試み充実した取材を心掛けます。
このプロジェクトでは1社あたり概ね本文・約5000文字+社長の人財育成論を約500文字の文字数でした。原稿完成までには、初校・出版会社の指摘と修正・取材先の確認・最終稿・校了の一連の流れを経て2013/3/12に商業界から出版となりました。

<書籍の構成>
第1章 時代は人財力 P11~24
第2章 人財が集まる企業の秘密 P25~206
第3章 人財が集まる企業の10の特長 P207~237

第2章掲載会社
ネッツトヨタ南国(自動車販売・高知県)
巣鴨信用金庫(金融・東京都)
ヘッズ(ラッピング用品企画制作・大阪府)
伊那食品工業(寒天・ゲル材製造販売・長野県)
柳月(和洋菓子製造販売・北海道)
アニコムホールディングス(ペット保険・東京都)
ウインローダー(運送・東京都)
カヤック(ITソフトウエア開発・神奈川県)
ファースト・コラボレーション(不動産・高知県)
アチーブメント(人財教育・東京都)
都田建設(住宅建設・静岡県)
イートス(ITソフトウエア開発・宮城県)
天彦産業(鋼材加工販売・大阪府)
生活の木(ハーブ製造・輸入販売・東京都)
ライブレボリューション(モバイル広告・東京都)
南富士(住宅・人材ビジネス・静岡県)
水上印刷(印刷・東京都)
アクロクエストテクノロジー(ITソフトウエア開発・神奈川県)

<自身の取材先>
個人的には大学院入学1年目、右も左もわからない状態で参加した初めての出版プロジェクトでした。坂本先生や先輩のアドバイスを注意深く聞きながら進めた思いが蘇ります。
今回私の取材先は水上印刷(印刷・東京都)でした。当時私の仕事はネットによる名刺印刷サービスを起業して10年ほどの時期でしたので、印刷業界の状況もある程度理解できていてとても興味をもって取り組むことができました。しかもデジタル化や価格競争激化によって疲弊した印刷会社が多い中、水上印刷の存在を知れば知るほど、厳しい業界であってもいい会社がある、と実感できたことで、このプロジェクトのみならずその後の大学院の学びにさらに気持ちが入りました。

<最後に>
本書では、人財を重視することで好不況に限らず社会に必要とされるため会社になるための理論と解説、そしてヒトを重視した経営を実践している企業18社の事例を掲載しています。2018年となった今でもまったく色あせていません。今回、読み返してみると新しい発見や気づきがありました。皆様のご参考になることを願っています。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。少しでもお読みいただく皆さまのお役に立てば嬉しい限りです。個人的な認識をもとにした投稿になりますが、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)

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