「人を大切にする経営学講義3-1」~企業とはどういう業か

(抜粋、要約) ~「企業とはどういう業か」と問われたら、筆者は「五つの業から成る生命体」と答えることにしている。五つの業の第一は「環境適応業」、第二は「市場創造業」、第三は「幸せ創造・提案業」、第四は「人財育成業」、第五は「社会貢献業」である。この五つの業から成る生命体が企業といえる。

 第一の環境適応業は、「変化適応業」と言ってもよい。それゆえ環境や変化に適応できない企業、環境の変化を嫌う企業は、本来の企業ではない。

 第二の市場創造業とは、企業とは自らが「これは」と決めたマーケットに対し、顧客が求める新しい価値を創造提案し続けることで生きる生物、という意味である。もっとはっきり言えば、市場や環境に依存・追随する、「寄らば大樹の陰」的な生き方を期待している企業は、真の企業ではないといえる。

 第三の幸せ創造・提案業とは、企業は事業を通じて関係者の幸せを創造・提案する生物、という意味である。それゆえ提供している財が何であれ、その企業に関係する多くの人々が幸せを実感できない企業、幸せという価値を創造・提案できない企業は、真の企業ではないといえる。

 第四の人財育成業とは、企業は人財を育成することを目的とした生物という意味である。人財育成業はそもそも教育機関であり、企業は人材確保業であるという考え方をする人々もいるが、これは間違っている。企業こそが地球上で最大・最高の人財育成業なのである。これは当然である。というのは、企業の成長は、企業の最大資源である人、とりわけ社員の成長の総和だからである。

 第五の社会貢献業とは、企業は社会皆のものであるからして、社会や地域に本業を通じてはもとより、本業以外にも、企業市民として貢献することが義務付けられた生物、という意味である。業務を通した貢献で最たる貢献は、雇用責任や納税責任、さらには継続責任・利他責任、さらに言えば社会的弱者支援責任などである。

(人を大切に末う経営学会 東北支部 本田佳世子)

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