ゾーホージャパン株式会社【No30企業見学会2018/9/14】

(毎週火曜日に投稿しております元坂本ゼミ生通信です。数週間にわたってお届けしておりました9月に開催された学会の番外編投稿は今回最後です)

今回は2018年9月に慶応義塾大学日吉キャンパスで開催された“人を大切にする経営学会 第5回 全国大会”の前日に企画されたゾーホージャパン株式会社さまの企業見学会から印象的だったお話をご紹介させていただきます。
同社は第7回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞審査委員会特別賞受賞企業です。

●迫社長のプロフィール
鹿児島出身。高校卒業後、家庭の事情から大学へは進学せず某鉄鋼に入社。メンテナンス業務や新規事業に関わり42歳で退職。
ゾーホー社はもともと1996年に米国ニュージャージー州で3名によって設立され、インドへ本社を移転後、2001年に日本法人を設立します。迫氏は縁あってゾーホージャパンの設立メンバーとなります。
現在では世界200か国に販売するITソフトウェア業です。

●日本の企業数と貧困率の関係
・企業数は1985年535万社 → 2015年382万社へ大きく減少
・貧困率は1985年12% → 2015年15.6%へ増加
迫社長は“企業が倒産せずに存続していれば貧困は増えないのではないか?”、この2つの指標に相関関係があるのではないかと考えています。そして企業の倒産を防ぎたいと考えています。

●事業
同社が2007年から販売を開始したZohoは中小企業のIT化や生産性向上を支援するクラウドサービスの形態をとっています。この製品によって大企業に比較しさまざまな情報やデータが資産として蓄積されにくい中小企業の役に立つことを目指し、ひいては倒産を防ぐことにつなげる思いがあります。
しかもZohoには無償版があり、約80%の機能であれば10ユーザーまで無償で利用することができます。


●理念経営へ
世界ではゾーホー社は順調に事業を拡げていましたが、2010年前後の日本では売上が伸びず、親会社の支援なくしては存続できない状態だったと言います。
そんな中、営業部長だった迫氏が本社の指示で2012年に社長に就任します。
迫社長は最初に意識改革の必要性を訴え理念経営が始まりました。まずは理念をつくるところからです。当時23名(社員の約1/3)が参加したプロジェクトチームでは、将来どんな会社になっていたいか、始業前の早朝やお昼休憩、夜の業務時間外を使ってブレストを重ねます。さらに理念経営をしている他社事例を一人1社探して発表するなど、メンバーの意識が共有されていきました。そして8か月をかけ企業理念と行動規範が出来上がりました。

●社内制度・福利厚生
✓表彰制度社員同士が選ぶ「感謝の賞」、称賛をシャワーのように浴び、選んだ理由がまた感動。上司や社長が選ぶ賞もあります。
✓決算期慰労会 社員だけではなく家族やOBOG、お世話になっている弁護士や会計士、社労士、産業医さんなどが参加。ケータリングは就労支援センターへ依頼。
✓社員旅行 国内・国外を選択でき社員間のチームワークがより一層強まります。
✓CSR活動 障がい者の就労支援への依頼、小学校の環境絵日記へのスポンサー提供、各種団体への寄付


●多様な雇用と働き方
✓シングルマザー、難病支援、大学生の長期インターン(6か月)
✓テレワークを導入し、モバイルワーク、自宅勤務、実家勤務、サテライトオフィス(静岡県川根本町)とさまざまな形態があります。
例えば、
・実家がコメ農家の社員さんは収穫の時期だけ実家勤務
・お子さんの急病時には自宅での6時間勤務が可能
・顧客訪問の合間にはcafé(400円の手当)に寄りレポート作成やメール処理など可能
IT業としては導入しやすいこともありますが、理念経営が浸透していることで、様々な制度や取り組みが好循環を生み、より大きな効果を出しているのだ実感できました。

●最後に
2011年まで売上が上下していた同社。
営業部長だった現社長が一年近くの準備期間を経て2012年に理念経営を導入。大胆に舵をきりました。そのきっかけ、経緯、具体的な導入までの取り組み、現在の社内制度に至るまで様々なお話を伺うことができました。
2012年から2017年までの6年間は見事に年20%の成長を遂げています。これからも同社は注目です。
社長はじめ総務部や経営企画室の皆様、ありがとうございました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です