ボーダレス・ジャパンの社会的インパクトの巨大さ


10月18日 京都で株式会社ボーダレス・ジャパン(以下「ボーダレス社」と省略)の内山沙綾香さんのお話を伺う機会に恵まれました。
 内山さんは現在はバックアップオフィスの一(いち)スタッフですが、その前はミャンマーの「貧困農家をなくす」という課題解決に挑むBORDERLESS FARM社の社長をされていました。
 彼女は2014年、入社4ヶ月後に単身ミャンマーに赴任します。現地で見事に事業を立ち上げ、2016年に社長となりました。2018年日本へ戻り、現在はバックアップオフィスで働いています。

 ボーダレス社(https://www.borderless-japan.com)は、「ソーシャルビジネスで社会を変える」を理念に掲げ、「社会起業家のためのプラットフォーム」を提供しています。志と情熱のある社会起業家に、資金と知識と人を提供し、彼らと伴走しながら社会課題の解決をビジネス化する会社です。(ソーシャルビジネスの定義については、当ブログ9月19日の記事をご覧ください。https://yaplog.jp/sakamoto/archive/10707
 設立から11年、現在では20の事業を展開し、昨年度売上高は約43.5億円に登ります。内山さんのBORDERLESS FARM社(https://www.borderless-japan.com/social-business/farm/ )もそのうちの一事業です。ミャンマー山間部で葉たばこ栽培をしていた貧困農家の課題を、オーガニックハーブ栽培で解消しました。
 内山さんは経営を通して「事業の成長=人の成長」であることを実感します。そして、自分が社長をしていては事業の成長が頭打ちになる、すなわち社会への影響が滞ると考え、社長の座を譲ることを決意します。彼女が25歳の時のことです。判断基準は社会へのインパクトであって、肩書への執着や自己保身などはないのです。
 今、内山さんはバックアップオフィスで20人の社長たちの良き伴走者として、ご自身の悩み苦しんだ経験を生かしています。内山さんのあとを継いで社長になった後輩は、現在25歳。前例にとらわれず事業をあらたな段階へと発展させています。

 新入社員が入るなり社長となり、社長が突然平社員になる。共通の使命感と明確な理念があるから、だれもが社長という役割を担えるのだろうと思います。
 元鎌倉投信の新井和宏さんは、著書『持続可能な資本主義』の中で、今後目指すべき「八方良し経営」では、経営者も会社の外のステークホルダーの一人であり、最後に会社の中に残るものは理念しかないとしています。
 内山さんが、より大きな社会へのインパクトを求めて、社長を交代するという決断ができたことは、ボーダレス社のプラットフォームがまさにこの八方良しの経営を体現しているからだと感じました。
 社会起業家の多くは、志が高く、エネルギー(情熱)もあります。でも、それだけでは事業は成功できません。知恵がいる、人脈がいる、お金がいる・・・それぞれの足りないところをカバーできれば成功の確率が高まります。
 今まで事業化を諦めていたような人たちや、一人でやろうとしてうまく行かなかったり、時間がかかっていた人たちが、もっと事業を成功しやすくなるとしたら・・・ボーダレス社のプラットフォームは幸せな社会の実現に大きな可能性を持っていることを確信しました。

12月4日の九州支部のフォーラムにボーダレス・ジャパン社長の田口一成さんがご登壇されますので、ぜひ多くの方にお話を聴いていただきたいなと思います。
https://www.htk-gakkai.org/活動案内/地域支部-九州支部/人を大切にする経営学会九州支部第2回公開フォーラムのご案内/

人を大切にする経営人財塾 桂 利治

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