但陽信用金庫様視察
▼但陽信用金庫様視察
 
 
2018年10月30日から、神田経営者クラブ、
 静岡県中小企業経営革新フォーラム、
 福井県中小企業経営革新フォーラム合同の
 視察会に参加しましたので、今回はその報告です。
 初日一社目は但陽信用金庫さん(加古川 本社)に
 お伺いしました。但陽信用金庫様は、ご承知のとおり、
 坂本先生の「日本でいちばん大切にしたい会社第6巻」
 に掲載され、理事長の桑田純一郎様には
 「第8回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」表彰式で
 基調講演をしていただきました。
▼「故きを温めて新しきを知る」
 桑田様は、平成2年に理事長に就任した時に丁度、世の中は
 金融自由化へ舵を切りました。これからは金融機関の
 過当競争が始まると感じたのだと思います。
 この時点で、将来は、お客様当たり1000万円以下の
 預金で生きていかなければならないと覚悟したそうです。
 預金を集めても、高額定期の預金には多くの金利が
 発生してしまう。そのような中で信用金庫として生き抜くには、
 金利の低い個人の流動性預金の比率を高め、
 利率の高い個人融資を徹底化していくこと。
 これは、バブル以前の金融機関がやってきた当たり前のことで
 経営を地元に密着しながら、実施してきたことでした。
 多くの金融機関はこのことを忘れてしまい、利ざやの大きい
 金融商品の開発に走り、今や投資信託等の投資事業や
 コンサルタントで手数料を得るようになっていますが、
 但陽信用金庫は真逆の経営方針を続けました。
▼地元のファンを作る
 但陽信用金庫は、個人の流動姓預金の獲得を目指し、
 地域の小学校に働きかけ、手数料を取ることなく
 「学振口座」を開設してもらうことで預金契約件数を
 大きく増やしていきます。そして、「よろず相談金庫」
 として、何でも相談に乗り、「総合病院」ではなく、
 「町医者」に徹します。零細企業に対しても
 「さしでる経営」を実践し、「おせっかい」をして、
 お客さんと共に生きていく道を進んでいます。
 そのようなきめの細かいサービスを提供するのは社員です。
 そのためには、社員の幸せを経営者が
 守らなければなりません。桑田理事長は、社員のために、
 24時間携帯電話を手元に置き、
 いつでも相談できるようにしています。
 社員は子ども、社員の子どもは自分の孫として、
 大切にし、万一社員に不幸があっても、
 その孫の進学は守るべく育英資金を提供するなど、
 手厚い福利厚生で社員とその家族を守っています。
 まだまだ沢山、学ぶべきお話を伺いましたが
 紙幅の都合もありますので、今回はこの辺で。
(学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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