「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」にチャレンジして学んだこと

 2016年に知人より「『日本でいちばん大切にしたい会社大賞』にエントリーしてみないか」と声をかけられました。坂本光司先生の書籍「日本でいちばん大切にしたい会社」を読んで、いつかはこの本に取り上げられるようになりたいと思っていました。創業以来23年間、建設業を対象にした技術コンサルティングを主業務として経営してきましたが、まだ「大賞」を取るまでのレベルではありません。しかし知人に「エントリーすることで学ぶことがあるのではないか」と言われ、それならとエントリーすることを決意しました。
大賞の応募資格は以下のようでした。
「過去5年以上にわたって、以下の6つの条件に全て該当していること
1)人員整理を目的とした解雇や退職勧奨をしていないこと
2)外注企業・協力企業等、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと
3)障がい者雇用率は法定雇用率以上であること(障がい者就労施設等からの物品やサービス購入等、雇用に準ずる取り組みがあること)
4)黒字経営(経常利益)であること
5)営業利益・経常利益ともに黒字(除くNPO法人・社会福祉法人・教育機関等)である
6)下請代金支払い遅延防止法など法令違反をしていない

 以下、この基準に沿って改善したことを紹介します。
 1)人員整理を目的とした解雇や退職勧奨はしていませんでしたし、4)黒字経営(経常利益)、5)営業利益・経常利益ともに黒字、についてはおかげさまで創業以来連続して黒字経営でしたので問題ありません。
 2)外注企業・協力企業等、仕入先企業へのコストダウンを強制していないこと、を読み考え込みました。私がかつて従事しており、現在の顧客層である建設業界では、外注費の支払いをできるだけ少なくし原価低減することで利益を上げることが「よい経営」とされてきました。また6)下請代金支払い遅延防止法など法令違反をしていない、についても外注費の支払日を遅くして自社にキャッシュを蓄えることが大切であると考えられてきました。しかし本賞における「人」とは、「1従業員とその家族、2外注先・仕入先、3顧客、4地域社会、5株主の5者を指す」とのこと。外注先で働く方も「人を大切にする」対象であることに改めて気づきました。私は外注コストを見直し、値引きを要求しないこと、支払いサイトを30日から20日にすること、さらにそれを顧客である建設会社に勧めました。
 3)障がい者雇用については、名刺の作成を障がい者の方が経営している企業に外注していたので、かろうじて基準を満たしていました。しかしこれまでは、できるだけ優秀な人材を雇用することのみ考えており、障がいを持つ方を雇用することは考えていませんでした。そこで早速ハローワークに障がい者を対象とした求人を出したところ、多くの応募者がありました。現在採用に向けて面接をしているところです。さらには建設業界にて障がい者が働くことができる仕組み作りを進めています。
 エントリー基準にはありませんが、社員さんを大切にするために、改善してきたことを列記します。
・契約社員を正社員にしました
・教育費を増額しました(社命による研修5~10万円/人、自主的研修10万円/人)
・トップダウンからボトムアップへ変更し、全員討議して課題解決するようにしました
・従業員満足度調査を年2回実施し、その結果を踏まえて会社の仕組みを改善しました
・残業時間の低減
・有給休暇取得率の向上
 現状、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」は2連敗ですが、エントリーを通じて学んだこと、得たことが数多くあります。近い将来受賞するに値する企業になれるよう、そして建設業界全体が「人を大切にする業界」となるよう、これから一層精進いたします。

人を大切にする経営人財塾
ハタ コンサルタント株式会社 代表取締役 降籏 達生

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