株式会社埼玉種畜牧場(サイボクハム)【No33いい会社紹介】

今回は大学院在学中の視察こそなかったのですが、授業や学びを通してとても印象に残り、個人的に何度か施設を訪れたことでファンになり、以来同社の製品を購入させていただくようになったサイボクハムさんです。
同社の創業・サイボクゴールデンポークの誕生・農業のディズニーランドを目指した施設は知れば知るほど、創業者である笹崎龍雄氏と息子である笹川静雄氏の思いが届いて、多くの方に知ってほしい存在です。
 http://www.saiboku.co.jp/

●概要
住 所 埼玉県日高市
資本金 9200万円
売上高 53億円
設 立 1955年8月
創業者 笹﨑龍雄
代表者 代表取締役社長 笹崎静雄
事 業 自社牧場での種豚育種改良、肉豚生産、精肉、ハム・ソーセージ、パン製造販売及び加工品、食品販売、地元野菜の直売、カフェテリア、レストランの運営
事業所 鳩山牧場(埼玉)南アルプス牧場(山梨)東北牧場(宮城)

●創業者 笹崎龍雄氏(1916~2012)
・学業は抜群でしたが8人兄弟の家計は厳しく進学する道は閉ざされてしまいます。しかし笹崎氏を見込んで学資を出す人が現れ進学の道が開かれます。上京し昼間に仕事をしながら受験勉強に励み、見事1937年東京高等農林学校獣医学科(元東京帝国大学農学部)に合格。さらに難関だった陸軍から学資が支給される試験にも合格。
・フィリピンで終戦をむかえ「帰国して祖国のために尽くせ」という山下奉文司令官の遺命を胸に九死に一生を得て帰国。
・埼玉に種畜牧場を目的にした牧場を開きます。
「子供の時に母親に連れられて食べたトンカツの味が忘れられなかった」
・本業の傍ら書き続けてきた著述『養豚大成』(1953年 養賢堂)が全世界で300万部も売れる大ロングセラーとなります。全373ページ50余版まで改版され英語、中国語等に翻訳。北京大学ではテキストとして使用されます。
・印税を元手に欧州各国の農業畜産状況を視察
日本で初めてイギリスからランドレース原種17頭をイギリス各地で選豚し直輸入
72年 アメリカで国外不出のハンプシャー種豚のグランドチャンピオンを1万ドルで購入
・74年 理想の豚作育に成功『サイボクゴールデンポーク』と命名
生産した子豚は種豚として全国の生産農家から引っ張りだことなります。
・1952年以降、国内外から養豚後継青年(2000名以上)を研修生として積極的に受け入れ養豚業界に貢献

●2代目 笹崎静雄氏(現社長)
・71年に入社。小売りへの参入を計画し龍雄氏は9回目の提案でやっと頷きます
・6坪でオープンした直売所は当初低迷
・79年に静雄氏は本場ドイツでハム・ソーセージの生産、販売までの一貫体制を学んで帰国。6次産業化を確立。農業のディズニーランドを目指して発展中。今では来場者は380万人、売上高67億円の規模を誇っています。

●地域の障がい児への思い
敷地にはリンゴ園があり、わい化栽培を行うことで樹高を低くしています。
“このリンゴの樹は、地域の車椅子等で頑張っている、子供たちの採果用、夢づくりのために植えられています”

●安心安全
同社の冊子には“サイボクハムでは必要最低限の添加物を使用しています”とありました。
一般的には殆どの加工された食品は人工的な添加物を多品種夫君でいますが、同社では正直に明示しています。種類は大変少なくとても好感が持てることです。
“サイボクハムではお客様により美味しく、より安全な製品を召し上がっていただくため、製品の傷みを防いだり、美味しさを保つために必要最小限の量に抑えて使用しています。また保存料は入っておりませんので、消費・賞味期限は他社製品と比べて短くなっています。”
<使用している添加物>
・発色剤(亜硝酸ナトリウム)・・お肉がもっている本来の色を出し、最近の繁殖を抑え食中毒を防ぐ役割
・酸化防止剤(ビタミンC)・・酸化による退色を防ぐ。発色剤の効果を促進
・リン酸塩・・保水効果があり、肉のうまみや味付けした味を保つ効果、食感や風味を高める効果

●その他
・豚の命をいただくことへの感謝を表すために、豚を供養するための畜魂碑を建立
・欧州の国際食品品質競技会でメダル通算1000個以上受賞
・DLG(ドイツ農業協会)主催の協議会で1999年から13年連続で金メダルを受賞

余談エピソード
創業者;笹崎龍雄氏は大学恩師の媒酌で新宿生まれの櫻井米子さんと1947年に結婚。米子さんの父は英語が堪能で新進気鋭の弁護士でした。父は1941年太平洋戦争開戦の日に家族を集め、“いつか東京は火の海になり敗戦する。明日から庭に井戸を掘り自宅を守る”と宣言。その予言通りとなりしかも井戸水のおかげで新宿では延焼を免れた数少ない家となったといいます。

同社の創業の背景や沿革、まつわるエピソードなど、戦争の時代を生きたあらゆる人々の体験や思いを今に伝える意義を強く感じました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(桝谷光洋)

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