上場企業の幸福は難しい

1月12日 名古屋大学で「 経営行動科学学会 経営組織部会 研究会 」 主催の 「越境について考える」 が開催され 全国から35名が参加 した。

発表者の4名と要旨は次の通りである。
長崎大学経済学部 中西善信教授「越境を通じた学習-実践コミニュニティにおける状況横断と状況共有-」、越境には形式的越境と内容的越境があるという分類をして、「実践コミュニティ」とはあるテ-マに関する関心や問題熱意などを共有しその分野の知識や技能を持続的な相互交流を通じて深めてゆく人々の集団と定義している学説もあるとした。

法政大学大学院の石山恒貴教授は「越境的学習の理論的背景と企業内人材育成における意義」は、
企業の担当者が迫害に遭ったりやがて風化していく課題があるとした。

東京経済大学コミュニケ-ション学部小山健太教授「越境学習としてのダイバ-シティ・マネジメント」は外国人のような方を対象に企業内部のダイバーシティとイノベ-ションについて論じた。

リクル-トマネジメントソリュ-ションズ組織行動研究所の藤澤理恵教授(?)「ビジネス/ソ-シャル越境とジョブ/クラフティング」は、商品交換から創造的交歓という枠組みで、越境がどうジョブクラフティングをもたらすかというものだった。

設立総会?のようで終了した後は参加者が全員、意見を述べまさしく「実践コミュニティの集まり」で盛り上がったようである。
久々に大学院で学んだ気分になり、研究って奥深いものだなと感心した。

65歳の私、定年退職までの36年間は入社後、上場し発展した企業に勤務した。30歳前から月1回の夜間の異業種交流会で学んだり定年退職前は有給休暇をとり愛知県に住んでいるが東京の研修会に参加したりして学び、定年退職後には4年間大学院に学んだ。有給休暇をとって休んでも知野は何しているんだと白い目で見られた。

大企業の社員を主に研究したようなので、越境の学びを普通のサラリ-マンや主婦、定年後の老後を楽しむ方まで広げるのは難しいと感じた。使われている用語がサラリ-マン等には難しい。

35名の中には数名の大企業の総務・人事部系の方も参加していた。上場企業では越境学習を広げようと思っても中間決算月や確定決算月は株主を重視して業績を追わざるを得ない。担当者が迫害され、やがては消滅してしまうことはわかりきっていると思う。

「幸福学」の慶応義塾大学大学院 前野隆司教授の「幸せは4つの因子を満たすことによって得られる」。言葉は分かりやすい。1.やってみよう因子、2.ありがとう因子、3.なんとかなる因子、4.ありのまま因子の4つだ。いずれも伊那食品工業等の人に優しい中小企業を研究対象として得られた結論だ。上場企業では2のありがとう因子を除いて担当者自身得にくいと思う。

前野教授、大企業のサラリ-マンを対象に「みんなで幸せでい続ける経営研究会を立ち上げているが難しいと思う。

中小企業のサラリ-マンや主婦、障がい者、高齢者、外国人も気軽に参加できる越境学習の場を設けたり、前野教授の研究科のように動画を配信して底辺を広げると良いと思う。

「シェア金沢」の夜の集まりは障がい者等ごちゃまぜとなって好事例だ。

政府と大企業を動かした「ワ-クライフバランス」の小室淑惠社長の人口オ-ナス期に経済発展しやすい働き方は動画も配信されわかりやすい。

東日本大震災以降「日本人の絆」の良さを感じ、自分で可能な限り他人の幸せのために貢献したい日本人が増えていると思う。「越境」を感じさせない地域の集まりが育って欲しい。人に優しい中小企業に回答があると思う。

「人を大切にする経営学会」
中部支部
知野 進一郎

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