株式会社 協和【No54いい会社視察2017/9/22】

今回は2017年9月に坂本ゼミ生の視察としてご訪問した『株式会社 協和』さんをご紹介致します。当日は実質的な社長である若松秀夫専務にお話を伺いました。
同社は2013年「第3回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」にて審査委員会特別賞を受賞されています。


★概要
株式会社 協和 http://www.kyowa-bag.co.jp/index.html
設立 1951年5月
資本金 9600万円
所在地 【本 社】東京都千代田区東神田2-10-16
【工場・物流センター】千葉県野田市桐ヶ作512
代表者 代表取締役社長 若松 種夫
従業員 220名
主な事業 ランドセル、スーツケース、ビジネスバッグの企画/製造/販売。
スーツケース、ビジネスバッグは日本、中国、ベトナムの提携工場において委託生産。
年商 53億円
関連会社 協和バッグ(カバンの小売店舗チェーン、約70店舗)

●社長のお話

“働くことの意味を常に考えている会社”だと言います。
“常に自問自答”、“会社はただお金儲けをすればいいのではありません”と。
そして、“強くて優しい会社をつくる”ことを目指しています。
決して 強い and 優しい ではなく、強い for 優しい なのです。
強いとは優しくあるための手段であるとし、最終的には優しい会社を目指しています。
そして、強い会社は安定的に利益を出せる会社であり、この安定が大切だとお話くださいました。材料となる原料輸入が多い同社ですが、為替や投資では儲けないと断言し、油断や甘えなど隙ができることを排除しているのです。

●強い会社になるために必要なこととして3つを挙げています。
① 経営理念の浸透
② 経営戦略
③ 将来に向けた事業育成
・経営理念の浸透では、毎日朝礼を行い、若松専務が必ず10分以上かけて理念に関して話しています。そして午前中には内容を文書化して全国の社員へメールしています。理念浸透のためには話すだけではなく、熱意・頻度・回数も重要だと力説されました。
朝礼以外では、幹部社員中心の企画として仕事後に本質的で根本的なテーマ(会社の存在意義、そもそもなぜ仕事をしているのか、企業の倫理観など)を語り合えるオフサイトミーティングの場があります。
・経営戦略や将来に向けた事業育成では、
過去の苦い経験として、マイカルやダイエーなどGMS(大型スーパー)の倒産によって同社は億単位の債権が回収できなかったことがありました。
業態や流通経路が限られていたことで事業リスクが高すぎたと痛感したと言います。その経験からランドセル以外として旅行カバンやビジネスカバンの製造・小売りに進出し、さらに直販できる体制を構築していきました。
同時にカバンのライセンスビジネスは行わないと決めています。いつ契約終了されるかわからない事業だと考えます。他者に頼ってはいけないという信念が同社の隙を減らし、強くて安定的な基盤を日に日に構築していることを実感できました。そして販路は多角化を進めています。その結果、20年間赤字はありません。

●印象的だったお話
・今年度から月次決算を全社員に公表(人件費は除く)しています。
・社員数は150人(2005年)→230人(2015年)となり、毎年4~5人増員、理念に共感する人を採用していて、安定した成長を歩んでいます。
・現在障がい者雇用は8人。一緒に仕事をすることが前提で、例えば健常者とペアで業務を行うことで孤立させない等、配慮しているのです。
・仕入先の数は増やしません。逆に1社1社とのパイプを太くし信頼感のある対等な関係であることを大切にしています。
例えばランドセルの素材は、軽くて丈夫できれいなクラレ製しか使いません。材料の価格は安くはありませんが、顧客のことを考えてこの素材を貫いています。
・毎年仕入先だけに集まってもらい新春懇談会を実施しています。2017年は58回目を数えていました。

●特筆すべき同社の社会貢献
・障がい児用のランドセル製作を10数年間継続しています。
その個数は毎年200~300個。2001~2016年まで累計3850個となっています。一人一人の子供の身体に合わせ、場合よっては障がい児の模型を作って製作しています。

・東日本大震災で被害を受けた児童に新品やリサイクルしたランドセルを提供
2011~2017年までに累計13261個となっています。“必要な支援・求められる支援”が必要だと指摘します。例えばある町では200人の子供に対して某大手の会社は1000個のランドセルを送ったと言います。町では倉庫を借りて保管しています。支援とは呼べない支援が一方ではあることに気づかせてくれるのです。

・未来へつなぐタイムレター
同社のランドセルを購入すると1000日後にお子様宛に届く手紙がセットになっています。通常はご両親が書き同社に送付。同社は1000日後となる3年生になった夏頃に発送しています。東日本大震災のあとには、亡くなったお母さんから思わぬ手紙が子供に届くという感動的な出来事があり、新聞やテレビなどでも報道されました。
 

●最後に
実質的な社長である若松専務のお話からは、“優しい会社”に向けた同社の歩み方や、社会と関わっている様子・在り方など、大切なことをたくさん伺うことができました。
より多くの人に同社の社会とのかかわり方を知ってほしいと感じました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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