デス・スパイラル日本
「行き場を失った、数百万の大群からはぐれたグンタイアリが、どこへ行っていいのかわからずに、仲間のお尻から出るお互いの分泌液のニオイを頼りに進む為、円を描くように進んでいく。グルグル回るアリの行軍は、止まることなく回り続ける。体力の少ないものから徐々に死んでいき、仲間の屍を踏みつけながら、休むことなくまる2日間、ほとんどのアリが疲れきって死んでいくまで続けられる。」
蟻のデス・スパイラルとグーグルで検索すると、YOU TUBEにその様子が複数UPされている。
https://www.youtube.com/watch?v=j3R6kzLOrYQ
まもなく、「平成」が終わり「令和」になろうとしている。
「平成」は、数多くの震災、経済の低迷など、まさに、混乱の中にあった時代だと思います。
ドラッカーが言うように、「人口減少は既に起こった未来」であり、確実に進行しています。
大局的に、冷静に考えると、デフレを止めることは簡単ではありません。
・日本の子供が減少すれば、デフレ圧力になります。
・高齢化が進めば、収入源は減り、消費が抑えられデフレ圧力になります。
・高齢化により、社会保障費が増え、借金財政の中、他の予算を削り、社会保障費に回すといったことが行われますが、このことは、先行投資を抑えることになり、デフレ圧力になります。
今年は選挙の年ですが、高齢化が進む中では、政治家が当選するためには高齢者に支持される政策を掲げます。
こうした状況の中では、日本銀行黒田総裁が量的緩和措置を行っても、需要が起きにくいのは明白です。1970年代なら、効き目があったでしょうが、前述のような状況に日本では、カンフル注射に過ぎないのではないでしょうか?
マクロ的なことは、この位にしておきますが、何が言いたいかといえば、今、日本は、まさにデス・スパイラルにはまってしまい、抜け出さない状況にあります。
企業を過保護にする環境も影響しています。
・マイナス金利で、低金利でお金が入る
・大企業、中小企業ともデフレを理由に社員の給料を抑える →実際、政府の統計でも減り続けています。
・大企業は、簡単にリストラをする。
・商店などは、自宅兼など家賃が掛からない。 等
挙げたら、キリがないほど、企業経営者にとって、改革をしなくても、何とか継続できるぬるま湯になる要因が数多くあるのです。
最近でこそ、人手不足や、労働時間への規制が強化で、経営者受難と言われる人もいますが、今までが、守られすぎてきたといった見方をするのが正しいと思います。
その中で、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞で表彰されるような企業が増やすこと」は、非常に有効な手段です。
通常の会社は社員の給料が低い⇔表彰されるような会社は平均給料が高い
通常の会社はリストラや社員数が増えない⇔表彰されるような会社はリストラしないで社員数が徐々に増えている
通常の会社は価格競争に巻き込まれている⇔表彰されるような会社は、適正価格で販売している。
坂本会長が専門ですが、高齢化が進むと需要されるモノが変わりますが、そのことに気づき、対応している企業は多くありません。そして、有効需要でなく有効供給をすることが重要であることは間違いありません。
つまり、日本でいちばん大切にしたい会社と呼ばれるにふさわしい会社は、適正価格で堂々と販売できる顧客価値を生み出す経営努力を怠っていないからこそ、社員を大切にして、また、社員が頑張るといった好循環が生まれるのです。
4月に、前期から始まった「人を大切にする経営人財塾」
の一年の成果として、坂本塾長をはじめ塾生全員が執筆し、商業界から「ニッポン子育てしやすい会社」を出版しました。
坂本光司会長が、全国8000社超を訪問・調査して見つけた「人を大切にするいい会社は社員の子どもの数が多い」という事実を証明するために、塾生全員で調査して書いた本です。
51社の調査結果は、日本の出生率が1.4人に対して、調査したいい会社は、2人弱といった明らかに違いがわかりました。
事例から分かったことは、「子育てしやすい会社、だから業績好調」になるという、まさに好循環していることです。
日本がハマっているデス・スパイラルを脱出するヒントが必ずあると思います。是非、読んで下さい。
コメントを残す