脱使い捨て!―リユース食器のすすめ―

人を大切にする経営学会で学び初めてから、たくさんの素晴らしい出会いに恵まれるようになった。人を大切にする経営学会の活動を通じた出会いはもちろん、同学会とは関連がない場でも非常にたくさんの素晴らしい出会いがある。よい人々と接することで得られるエネルギーがさらによい人々を惹きつけてくれるのだと思う。
1カ月ほど前に、また一つ素晴らしい出会いがあったので、以下に紹介したい。

【特定非営利活動法人 スペースふう】(山梨県富士川町)
 日本国内で初めてリユース食器レンタル事業をスタートした団体である。
1999年に地元の女性10人が集まり、地域活性化と女性の経済的自立を目指して、共同出資によって小さなリサイクルショップ「スペースふう」(2002年NPO法人の認証取得)を立ち上げたのが始まりだ。
 2002年に代表者の永井寛子氏は環境についての講演会に出席し、ドイツの事例として紹介されたイベント等でリユースできる食器を使ってごみを減らそうという取り組みを知って、日本にも導入したいと現在のリユース食器レンタル事業を立ち上げた。
 「それまで、私たちはイベントで出たごみの山を見ては、どうにかならないものかとため息をついていたので、2003年からさっそくリユース食器のレンタル事業に乗り出しました。県内企業からの寄付金で食器の金型をつくり、専門家のアドバイスを受けて素材は環境や人体に影響のないポリプロピレンを採用しました。」と永井氏は語る。
 借り手は、レンタルした食器を洗浄などする必要はなく、イベント終了後には納入時にレンタル食器が入れられていたコンテナに収納して返却するだけでいい。主催者は、手間をかけずに大量にゴミを出さないイベントが実現できるという簡単システムである。近年では、全国で多数の自治体や団体がイベント終了後のゴミ処理に困っているという話を度々聞く。この取り組みの評判を聞いて、遠くは北海道や九州の団体からもレンタル注文が来るようになったそうだ。レンタル食器を山梨からトラック輸送することで環境負荷がかかっては本末転倒になってしまうと考えたスペースふうは、全国各地にパートナー団体を見つけ、食器を安く提供するとともにレンタル事業のノウハウも共有して、リユース食器事業を拡大している。現在は「リユース食器ふうネット」を設立して、全国の14団体と連携してリユース食器の普及とレンタル事業を展開している。
 使い捨て食器に代えてリユース食器を使うとCO2の排出量を80%も減らすことができる。(国際連合大学名誉副学長/東京大学名誉教授 安井至氏による算出)使い捨て食器100個を使用した場合に排出されるCO2の排出量は、杉の木5.5本が1年間で吸収するCO2の量に相当する。

 スペースふうの2016年の実績では、レンタル件数533件、約71万個のリユース食器を全国のイベントやお祭りなどに貸出した。さらに同事業は大量のゴミ削減に加えて、返却されたレンタル食器の洗浄・管理・出荷の過程で障碍者雇用にも貢献している。
 このように素晴らしい団体であるが、「収益の伸び悩み」という大きな課題を抱えている。レンタル食器数は、2008年に100万個を超えたのをピークに年々少しずつ減少しているとのこと。またこれまでは助成金等を受けて事業を展開しており、いまだ黒字化できていないとのことだ。

スペースふうに何とか事業を継続して欲しいと思う。
この投稿を読んでくださった方々へ。身近にイベント開催予定の方がいたら、是非リユース食器のレンタルを進めて頂くことをお願いしたい。

人を大切にする経営学会人財塾生 松久知美

【参考】
Panasonic, NPO支援, 助成事例レポート「認定NPO法人 スペースふうの組織基盤強化ストーリー」
https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/pnsf/report/spacefuu.html
東京都羽村市, 環境保全に関する計画など, 「リユース食器のスペースふうに行ってきました!」
http://www.city.hamura.tokyo.jp/0000005970.html
認定NPO法人サービスグラント, 進行中のプロジェクト, スペースふう
https://www.servicegrant.or.jp/project/spacefu/
ボーダレス・ジャパン, メンバーブログ, エコ・環境問題, 「環境後進国」と呼ばれる日本で、使い捨てプラスチックを減らしたい―NPO経営者が描く日本の未来 
https://www.borderless-japan.com/members/31767/

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