愛するとは棄てないこと
「愛の第一原則は「捨てぬこと」です。
人生が愉快で楽しいなら、人生には愛はいりません。
人生が辛くみにくいからこそ、人生を棄てずにこれを生きようとするのが人生への愛です。
相手への美化が消え、情熱がうせた状態で、しかも相手を「捨てぬ」ことが愛の始まりです。
相手の美化の美点でなく、欠点のイヤな面を含めて本当の姿を見極め、しかも本当の彼を捨てぬのが愛の始まりだ。恋なんて誰にもできるもの、愛するこそ創り出すもの、と憶えて置いてください。」
遠藤周作
私が、まだ若い頃、文豪と言われた遠藤周作は、狐狸庵先生と呼ばれ、ネスカフェのCMなどでなじみがありました。遠藤周作の言葉の中で印象に残っているのは、冒頭の言葉です。
人と人の関わりは、仕事でも恋愛でも、お互いが魅力的であると思うから始まるのは一緒です。
しかし、最初は、魅力的だと感じても、思い違いであったり、付き合う内に嫌な面がでてきたり・・といったことは当然起こります。
あるいは、自分の方の状況が変わって、その人が必要なくなったりします。
しかし、嫌なところが見えてきた、あるいは、自分にとって必要がなくなったとして、簡単に棄ててしまうことは、愛がなく、時として、自分本位な行動ではないかと思います。
企業が、当たり前に社員をリストラをする。協力会社を何の説明もなく切る。
こうした企業の在り方を見るとき、
そうしたことをする企業で、本気で一生懸命働いたりしたいと思うでしょうか?
そうした企業からの取引を長く続けたいを思うでしょうか?
「もったいない・・」と思います。お金よりも大切な信用を失うからです。
簡単に人を捨てる会社、簡単に協力会社を切り捨てる会社は、立場が変わったときに、逆に切られる徳のない会社だと思います。
少なくても、「相手のことを考える、迷惑をかけない・・」といったことが頭の片隅にでもあるのであれば、簡単に切るようなことはできません。
人や取引先を道具とみる企業に明日はないと思います。
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