株式会社ダックス四国(現エフピコダックス株式会社)【No60いい会社視察2015/3/17】

今回は2015年3月に坂本ゼミの春合宿先としてご訪問した『株式会社ダックス四国』さんをご紹介致します。
同社はエフピコグループです。その強みである食品トレービジネスにおいて、障がい者の能力に気づき、その戦力化をいち早く切り開いてきました。まさに障がい者が健常者以上の戦力となることを証明した開拓者です。障がい者雇用率16%(ご訪問当時)以上を占める企業グループにおいて障がい者とともにエフピコグループの競争力を高め続けています。

●概要
株式会社エフピコ(最新のホームページより)
設立 1962年(昭和37年)7月24日
代表者 代表取締役社長 佐藤 守正
資本金 13,150百万円
従業員数 813名(エフピコグループ: 4,529名)
福山本社 広島県福山市曙町1-13-15
主な事業 ポリスチレンペーパーおよびその他の合成樹脂製簡易食品容器の製造・販売並びに関連包装資材等の販売

●エフピコグループによる障がい者雇用状況(2018年3月末時点)
障がい者雇用人数 377名
障がい者雇用率換算数 649名 (重度障がい73% 重度以外27%)
障がい者雇用率 13.78%
知的障がい90% 身体障がい9% 精神障がい1%
障がい者が従事する業務 食品トレー容器の生産とリサイクルの事業で活躍中

きっかけ
エフピコの障がい者雇用は、知的障がいのある子どもを持つ親の会「あひるの会」とのつながりによって特例子会社ダックスを1986年千葉県に設立したことからその歴史は始まっています。その後、株式会社ダックス四国(1995年設立)、株式会社ダックス佐賀(2006年設立)へ広げています。2017年には複数あった特例子会社をエフピコダックス株式会社として統合しています。
そして、民間の営利法人として初となる就労継続支援A型事業所(エフピコ愛パック株式会社)を2007年に設立。その後3年間で全国14か所に拠点を開設、現在ではグループ全体で約380名の障がいのある人財が活躍しています。
民間として初となる就労継続支援A型事業所開設の背景には、当時、厚生労働省の官僚であった村木厚子氏のすすめがあったためでした。きっと“エフピコさんであれば”との村木氏の想いがあったのではないかと想像しています。

●工場見学
トレー選別作業の工場を見学させていただいきました。1ライン6~7名。重度障がい者は80%もいます。
例えば白トレーはそのまま白トレーとしてリサイクル、透明トレーは再分別されます。色付きトレーは他社の工場燃料になります。プラスチックは除外します。小さなものを一瞬で見分ける能力が必要です。トレーの処理量 35トン/日。
週明けの月曜には何台ものトラックが行列となり、3つのラインはフル稼働です。
またトレーは発熱素材のために、作業場所は40度くらいになることも。作業をする障がい者は背中にクールパックを装着し、水分補給もしながらの作業となります。
通常、障がい者が一般の企業でのける勤続年数では3年続けば長い、5年続けばレアケースと言われる中、同社は入社後98~99%は辞めないのです。
Aさん・・・当初は5分と立っていられなかったが、今では8時間立っていられる。5年間無遅刻無欠席。
同社には年間1万人もの工場見学申込があります。

●『続ける力Ⅱ』
ご訪問の時にいただいた冊子からの抜粋です。

“ここでは、障がいのある従業員が健常者と共通の場で働き、健常者と同様の職責を担うことが求められます”
“出来ないことにわざわざ着目しない。出来るための配慮や工夫はどれだけの時間と労力を費やしてでも積み重ねていく”
とても実践的で説得力のある言葉です。

●障がい者雇用支援事業
同社では障がい者雇用の経験、実績をもとに、現在では全国各地において企業と障がい者の雇用を事業として支援しています。
ある農協とは果物検品事業(くだものに触るだけで腐っていないか判断できる)、北海道の福祉の現場ではベッドメイクなどリネンサービスを実施、同じく北海道の芽室町では“九神ファームめむろ”として、農作物の生産、加工、販売、観光をミックスした事業支援を手掛けています。他にも総菜製造、洋菓子製造、商品外箱印刷などの事業を全国各地で手掛けています。どの事業も障がい者の能力を高める取り組みを中心に事業性を重視しているのです。

●最後に
同社の特徴は、障がい者が経営の重要な基幹業務であるトレー部門で活躍していることです。この業務はおそらく健常者では同じ量の成果を上げることはできないばかりか、障がい者なくしては、同社の基幹業務であるトレーリサイクルを組み合わせたトレー製造事業をここまで全国へ広げることはできなかったのではないかと思えるほどです。
そしてさらにその経験を広く世の中に事業展開していくたくましさは、とても健全で、チャレンジャブルで人間的に映りました。
現場で拝見した障がい者一人一人の活躍する姿は、障がい者を特別視しがちな一般常識の過ちを映し、その固定観念が変わる力を与えてくれました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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