株式会社ピーターパン【No76いい会社視察2016/2/20】

今回は2016年2月に坂本ゼミの“出張ゼミ”としてご訪問した『株式会社ピーターパン』さんをご紹介致します。

●概要 (視察時の資料から) http://peaterpan.com/
代表者 代表取締役 横手 和彦 (現在は大橋 珠生氏)
設立 1977年(昭和52年)4月
従業員数 90名(パート・アルバイト160名)
本社 千葉県船橋市海神3-24-14
売上高 13億2000万円(2013年3月)
店舗 5店舗(石窯パン工房店、小麦工房店、小麦の郷店、小麦の丘店、奏の杜店)

●創業者;横手社長
横手社長は元銀行マンです。しかし銀行業務が性に合わず2年で退職しています。その後都心でバーを経営。お店は繁盛し若くして成功されました。
そんなある日、3歳の娘さんの一言が人生を変えるのです。
“お父さんはお仕事なんて、していないじゃない”
“バーでお酒を飲みながらお客様と談笑する姿をみたのでしょう”、横手さんはそう言いますが、ショックを受けました。
そして横手さんは娘に誇れる仕事をするためにパン屋を選んだのです。
材料にこだわり、焼きたてを出し、丁寧な接客でお客様によろこんでもらう。“自分ならぜひ買いたい。心からそう思えるパンだけをお店に並べよう”そう考えたのです。経営者がお店の理念を明確に示した好例です。
その甲斐あってお店は繁盛し8店舗にまで拡大していきます。新規事業として始めたピザ部門も大きく成長していきます。
しかし、順風満帆が長くは続きませんでした。大きな壁にぶつかります。
大きな組織となった会社は、いつの間にかマネジメントが追い付かなくなっていました。お店の品質は下がり、理想のお店からは乖離していたのです。

●転機
その頃、横手社長はある勉強会に参加しています。(横手社長と同期だったというゼミ生がいました)この勉強会では、各自の事業をオープンにして徹底的な議論をするようですが、当時事業としていたパン事業とピザ事業について、ピザ事業を辞めるよう指導されたと言います。当時ピザ事業はパン事業に比べ倍近く売上が大きかったようですが、今後ピザ業界は競争の激化を指摘されたのです。値引きや宅配バイク体制、人確保などし烈な競争へ突入することが想定されました。
その結果、横手社長はピザ事業を辞める決断をされます。パン事業にいても規模の拡大をやめ、もう一度原点に立ち戻ることを決断しました。
新たに“ちょっと贅沢、ちょっとおしゃれなパン屋”をコンセプトとして、小麦工房ピーターパンを開店。
店舗には社員1名をお客様係として配置。
店舗にはテラスがあり出来立てのパンと無料コーヒーサービスを楽しむことができます。
商品アイテムは約100種類あります。
そして目標を大幅に超える販売を実現しています。
本店は毎日1000~1100名の来店があります。

●採用
平成15年から新卒採用を開始。利益2000万円のときに採用や教育費用に1000万円をかけています。5年後10年後をせおう人財の重要性を理解されていることがよくわかります。
採用10~15名に対して応募300名があるようです。
現在では約60~70%の社員が大卒の社員が占めています。
また視察当時では障がい者を焼き菓子担当として1名採用されていました。

●当日いただいた資料より
社員の皆さんの声がとても印象的でした。
“パンづくりも好きだけど、会社づくりも大好き”
“私が作りたいパンじゃない。お客様が食べたいパンをつくる”
“経営を学びたい。選んだのは、コンサルティング会社でもITベンチャーでもなく、ベーカリーでした”

●最後に
元銀行マンの横手社長。2年間できっぱりと退職をして、独自の道を歩むその力強さや社会と関わる感覚はどこからきているのか、限られた視察の時間では感じ取ることはできませんでしたが、とても気持ちよくお話を伺った時間でした。
そしてバー経営に成功しながらも、娘さんの言葉を正面から受け取って、別の道に進むことをまねできる人は滅多にいないでしょう。その娘さんは視察当時専務をされていました。(2019年9月では代表取締役社長)
娘さんの思いを何よりも大切にして人生を自らつくりながら歩む姿は美しいと感じました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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