千房株式会社 記念講演【番外No77人を大切にする経営学会 全国大会より2019/9/7】

(毎週火曜日に投稿しております元坂本ゼミ生通信です。今週は番外編として9月に開催された学会の講演からお届けいたします)

今回は2019年9月に大阪の立命館大学茨木キャンパスで行われた第6回全国大会の中から千房株式会社 代表取締役会長 中井政嗣氏の記念講演から印象的だったお話をご紹介させていただきます。同氏はお好み焼きを全国にチェーン展開する企業の創業者であり、近年では犯罪を犯した若者を更正させるために講演や活動を行っています。
 

千房株式会社ホームページ
http://www.chibo.com/

●中学卒業~創業
中井氏は1945年奈良県生まれ。中学校の卒業式翌日、父に連れられ大阪の乾物屋に丁稚奉公として働き始めます。そのときに父がくれた500円札1枚が全財産でした。ほどなく父は病気で亡くなってしまいます。
“厳しさには耐えられるが、寂しさには耐えられない”

中井氏は働き始めて、かかさずに金銭出納帳をつけ続けていました。自分のお店をもとうと考え、資金をためました。金銭出納帳のことを知った信用組合が開店資金3000万円を無担保で融資しています。
1973年大阪ミナミにお好み焼き店を開店。今では全国だけではなく海外を含めて77店舗を展開し、従業員数1430名が働く会社組織となっています。

●飲食業は愛のある接客業
飲食店は誰でもまねできる世界だと言います。立地・価格・味など現在ではすべてまねができます。お客様がなぜ来ていただけるか、それは人であり従業員一人一人、愛のこもった接客が大切だと力説されました。
「愛」の反対語は「無関心」と言われ、お客様に愛をもって接客する、無関心ではいけない。
一般には接客がわるいと会計の時に値引きするお店はないといい、自らに厳しくしていることが伺えました。

ホームページにある図は組織の在り方を明確に表していました。

●印象的だったお話
・甲子園球場のビール売りのアルバイトは200人いるそうですが、売上ベスト5に入る人の就職先は引く手あまただそうです。同じ場所・同じビール・同じ値段・同じ制服。しかし売上には大きな差がでるのです。その差は何かということが大切。

・どんなにおいしいメニューを提供してもお客様がまずいと言えばまずいということ。

・ある人の言葉として
“人の話は、眼で聴く。耳で視る。皆さんはラジオから川のせせらぎが聞こえると風景が浮かびますか?”

・成功した人の共通項
「いい人と出会った」、「運が良かった」
しかし運は一人だけのもの。運ではなくて縁は一人のものではなく二人のもの。縁を大切にすると不思議と運が良くなる。

・現代社会は利己主義が増えた。“今だけ、ここだけ、お金だけ、自分だけ”

・経済・・・経世済民、数字や効率は経済ではない。世をおさめて民を救うことにある。

●社会活動
40才のとき4年間学んだ通信制の高等学校を卒業。260名いた入学者は42名まで減ったそうです。社長でありながら高校生。(ベンツで高校に通ったそうです!)
中井政嗣氏は青少年の教育に対して経験をもとにした熱い想いのある教育家としても注目を集めており、長年にわたる全国の講演活動やNHKルソンの壺やテレビ東京カンブリア宮殿などメディアに出演されています。
その活動は同社の採用にも現れています。一度犯罪を犯してしまった若い犯罪者を更正させるために過去38名を採用しています。
さらに同社だけではなく多くの企業に働きかけ地域や社会が連携してその輪を広げています。
いまでは飲食店に関するさまざまな団体や組織の要職にありながら、さらに「ミナミまち育てネットワーク執行役」、「法務省の矯正広報大使」、「職親プロジェクト発起人代表」など、青少年に関して精力的な活動を行っています。

●最後に
今まで同社を存じ上げていませんでしたが、大阪開催にふさわしい基調講演でした。中井政嗣氏の90分間の講演では、時間とともに聴衆者が求めているであろう内容をアレンジしながら瞬時に適切なお話を繰り出しているのだと感じ、講演の前後では中井氏の存在がひときわ大きく見えていました。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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