株式会社ラポールヘア・グループ 早瀬 渉さん

私の場合、元気が無くなっても、美容室に行けば何とかなる。馴染みの美容師さんは聞き上手で、長年、私の愚痴や悩みにも耳を傾けて答えてくれる。美容室を出る時は、いつも生き返った気持ちで街に繰り出せる。女性にとって、美容室は魔法の場所なのだ。

宮城県石巻市で東日本大震災のボランティアをしていた、当時は美容業界大手上場企業役員の早瀬 渉さんは、津波で数百名の美容師が仕事を失ったことに対して、雇用創出で被災地に貢献したいと考えた。「自分自身が美容業界10年の節目の年、仕事に対する価値観、社会における自分の存在意義、いま自分にしかできないことは何かを深く考えさせられた」として、役員を退任し、2011年7月には、石巻市にラポールヘア1号店を開店していた。ソーシャル・ビジネスへの転身であり、ソーシャル・カンパニーの代表取締役になった。

津波で店や道具を失った美容師の、「生活再建のために働きたいが、子供がいるから働けない」という声に、早瀬さんは、店の中に、美容師もお客も活用できる託児所を設けた。これで、ママたちは安心して仕事ができる幸せを感じられる。ラポールヘアに集った女性たちは、おしゃべりも楽しめて、震災後、ひさびさに魔法の場所を取り戻したのだ。

美容師の資格を取ったものの、活かしきれていない人たちも多いという。育児や介護など家庭と仕事の両立が、正社員の形態では難しいからだ。早瀬さんは、1日数時間でも働きたい美容師のニーズに応えるため、あえて業務請負やパートの形を取った。これなら子だくさんママ、孫を世話するグランママ、親を介護するなど50代や60代の美容師も働けるという訳だ。

株式会社ラポールヘア・グループは、ラポール(信頼関係)という意味がある。チェーン展開で東京にも店舗がある。私も行ってみたいと思う。

株式会社ラポールヘア・グループ
http://www.rapporthair.com/

(人を大切にする経営学会 東北支部 本田佳世子)

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