ラッキーピエロ【No81いい会社視察2018/4】

今回は2016年6月に坂本先生と有志数名で視察している『ラッキーピエロ』さんをご紹介致します。私自身は視察できませんでしたが、2018年4月に王会長のご講演を東京で聴くことができましたので、その時の内容をもとにお伝え致します。

●概要  http://www.luckypierrot.jp/
ラッキーピエログループは北海道函館市を中心に展開するハンバーガーチェーンです。
代表者:王 一郎 代表取締役社長(神戸市生まれ)
設立年月:1987年開業(王社長45才の時)
所在地:北海道函館市末広町23 -18
事業内容:ファーストフードショップ運営
社員数:300名
店舗数17店
経営理念「スタッフを大切にしましょう。超お客様満足第一主義、お店はお客様が喜び満足するためにありスタッフと共に栄える」

●継続して学び続ける王社長

33才の時、知人のすすめで商業界のセミナーに参加。以来40年間以上継続して参加され、ほぼ毎回3列目以内に座っているそうです。
特に商業界との出会いはその後の王社長の人生に大きな変化をもたらしたと感じました。このセミナーには石川県の芝寿し社の会長が92才でも参加しているといい、メモを取っている姿は憧れであり目標だとお話されました。
私の回りでも商業界セミナーに参加されている人は少なくありません。坂本ゼミでは2014年に芝寿し社をご訪問していましたので、王社長から発せられた“芝寿し”の名には、とても親近感を覚えたと同時に、日夜変革している中小企業の共通項として、商業界や日創研など学びの場の存在が大きな役割を担っていると感じました。
王社長は2018年4月時点では75才。まだまだ学ぶ姿勢に満ち溢れていました。そして講演ではエネルギッシュで、包み隠すことなく、今まで培った経験をお話くださいました。

●現代の位置づけ
コトラーのマーケティング3.0を引き合いに説明されました。
1.0とは製品を売るために活動していた時代
2.0とは顧客満足度向上を目指した時代
3.0とは文化や地域貢献・顧客参加型の事業を実現させること
そして現在は4.0の時代に突入していると言い、デジタルマーケティング(自己実現)の時代と説きます。

●具体的な戦略は3つ
① ランチェスター戦略
地域ダントツNo1主義・1点集中を突き詰め実現すること。
地域でトップシェアになるだけでなくダントツになることが重要で、どこにも負けない商品を作り上げることに集中しています。
具体的にはチキンをNo1にすることを決意してハンバーガー業界に参入。徹底的に市場調査・研究をしていました。一般の平均60gだったパテは同社では120g、バンズも手作り、醤油やみりんにもこだわっています。食材は30時間以内に使い切ることを目標にしています。“微差は大差”というお話には圧倒されました。まさにその通りです。

② パレートの法則
イタリア経済学者が発見した2割の顧客が8割の売上を占めるという法則です。ラッキーピエロでは上位30%の顧客が62%の売上を占めているそうです。
③にも密接につながることですが、同社ではサーカス団という会員システムがあります。準会員→正会員→スター会員→スーパースター会員となり、上位になるほど様々な特典があります。2018年4月では最上位のSS団員は2500名。このレベルまで到達する顧客はもはや重要なロイヤルカスタマーとなっていて、店づくりへのアドバイス、新商品の試食や企画への招待などラッキーピエロの発展に心強い味方になっています。双方にとって良好な依存関係を構築していることがわかりました。
③ ロイヤリティ経営
上記の会員システムもさることながら、クレームに対するリカバリーも見事で、客離れゼロへの取り組みを仕組み化しています。
客離れの原因として①死亡1%、②転居1%、③友人の勧めや誘い5%(このお店でこんないやな思いをしたという声など)、④競合他社へ9%、⑤自分自身がお店で嫌な経験をしたこと68%という数字を披露してくれました。この中では⑤をなくしていくことが重要と考えていました。
同社ではさらに細分化した情報を収集して、1度だけのお詫びではなく、状況にあった対処を複数回数組み合わせることで、客離れを防止する仕組みを実行しています。
また店舗にあるアンケート情報も重要だと言い、アンケート項目や内容も研究を重ねています。

●王社長が長年の学びや経験から導き出した成功する人の共通項
①今やろう②少しずつやろう③できることからやろう④私がやろう
この簡単な4項目が共通項です。気持ちさえあれば誰でもまねをできるものです。
その反対は
① そのうちにやろう②一気にやろう③まとめてやろう④そのうちだれかがやるだろう
自分自身との向き合える言葉です。

●最後に
創業者として勉強熱心でアクティブな王社長の姿勢は、社員やアルバイトの皆さんにとっても心が動かされる大切な存在なのだと思います。どんな企業にとってもトップが真摯に学び続ける姿は社員やその家族、取引先にとって計り知れない支えとなることでしょう。
まだお店には一度も伺っていないので、必ず行かなければならないお店です。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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