「薄汚い作業着でドロドロ」から「スーツ着て三菱ビル」へ~HILLTOPの静本雅大さん

 HILLTOP(京都府宇治市)東京オフィス支社長の静本雅大さんが東京商工会議所に招かれ、三菱ビルで話した。山本 昌作副社長が「ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所」(ダイヤモンド社、2018年7月)はすでに2万部売れているそうだがその8㌻で、礼儀も常識もなく、眉毛もないと書かれたのが静本さんだ。
 静本さんは37年前、17歳の時 HILLTOP創立の2年後に入社した。普通の鉄工所からクールな今に至るまで身をもって経験してきた。その体験から出てきた言葉は実に生き生きとしており、経営のヒントにもなりそうなので、お伝えすることにした。以下 列記する。
神原哲也(日本記者クラブ会員、中小企業診断士・認定経営革新等支援機関、人を大切にする経営学会会員)
—————————————————————————————————–
「私が入社した時は10人しかいなかった。うち5名は同族、あとはおっちゃん、おばちゃんだけ。超ブラック 150時間残業していた。当時は大量生産の時代 やっただけもうけになったから。ほんとうにドロドロになりながらやっていた グレーの薄汚い作業着を着ていた。鼻のアナにティッシュを入れると真っ黒になった。うちでお湯に入ると七色になっていた」
「(HILLTOPの)山本昌作副社長は鉄工所が大嫌いだった。なりたかったのはお茶の水博士。大量生産のためのルーチンは社員を不幸にする。だからルーチンは無人化する 大量生産が絶好調のときに大量生産をやめた」
「毎日がターニングポイントだったが、もっとも大きなターニングポイントは知的労働とルーティーンワークの区別だろう。しんどいと思うこと(=るーちーんワーク)をすべて出せとやって、今の言葉でいうと(生産方法の)イノベーションのきっかけをつくった。アイデアは気付いたときにどんどん出す 優先順位をつけながら組り組み、イノベーションをとめなかった」
「夢は語り続けるとかなう。将来は白衣きてやろう、自社製品をつくろう、SEやデザイナー、外国人、ロボットがいる鉄工所になろう。それが現実になり、今はこの私がスーツを着てここで話をさせていただいている」
「モチベーションと達成感はどうやって感じるのか。よし!と思う回数が達成感の回数 よし!と思う達成感を感じるには目標を設定しないといけない。目標を達成すると自信が付く、そして明るくなる」
「個性を生かして長所を伸ばす。個性は宝物 磨き続ける事が重要。出る杭は打たない せっかく出てきた杭だから。私は本で、礼儀も常識もなく、眉毛もない、と書かれたが、行動力はあった」
「会社はふつう、何かをやるためにひとをとる。だがHILLTOPはまずおもろい人間をそろえる。人財で事業が変わる。だから成果が出るまでに時間がかかる。だが始まると早い。
「案件がきたら その案件はおもろいか、おもろないかまず考える」
「ジョブローテーション 1年に少なくとも1回、多くて2回 持ち場を変える。ジョブローテーションをすると生産落ちる。だがすぐに回復するどころか、ルーチンに陥らず自発的な意欲と探求心を高めることができる」
「任せることが大切。今、私はめちゃくちゃがまんしている。東京オフィスには26才が4人、23歳が3人。私はお父さん状態。ホウレンソウはもらうが口出しはしない。チャレンジは失敗の連続。こうしたらいい ああしたらいいでは自発モードではない。自発モードをつくる。怒らない なぜ失敗したのか それを考えることが果実になる」
「2人がやろうといったとき8人が反対してそれを説得していると肝心の2人のモチベーションが下がる。だから2人がやろうといった時にやる。これを8:2の法則といっている」
「公私混同しろ 会社は家 社員は家族 仕事以外にお互いのことを知っていますか。うちは何が強いのか。コミュニケーションです。みんな得意な分野をしっています。団結して乗り切っていきます」 
「1日8時間集中できますか 私はできません 集中時間はばらばら 仕事をしているふりはいりません。休めばいいのです。ルールはいりません。モラルながくなったらルールをつくるしかありませんがみんな大人、ルールはいりません」 
「今 うちの職場ではプログラマーが花形ですが、プログラマーをなくすといっています。AIがやる。もちろんリストラはやりません。人がやるべきことをやっていきます」「山本副社長はうちには職人はいない と言っていますが、プロの職人はいます」 
———————– 会社概要 ——————————–
業種はアルミなどの機械加工 
国内は東京オフィスと京都本社の2拠点 本社に120名 全体で140名 40%が女性。納期はリピート3日、新規5日。1か月で3000品目を加工。
アメリカカリフォルニアのアーバインに工場。5軸のマシニングセンターなどを備え20名が在籍している。うち3名が出向 サンタクララに1名。日本とアメリカの時差を活用、日本でデータをつくりアメリカで自動生産。
当社の生産の仕組みはマシニングセンターはプリンター(自動生産)、モノ(データ)はPC内でつくるというイメージ。つまりアメリカで生産してもジャパンクオリティ。アメリカの生産分の98%はローカル企業からの発注。日系企業ではない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です