池内タオル株式会社【No85いい会社視察2012/9/4】

今回は2012年9月に坂本ゼミの夏季合宿としてご訪問した『池内タオル株式会社』さんをご紹介致します。(現在は社名をIKEUCHI ORGANIC 株式会社へ変更されています)
視察当日は紹介ビデオを拝見し、社内見学、工場見学、社長のお話を伺いました。

●概要 (現在のホームページと資料から作成)
IKEUCHI ORGANIC 株式会社(旧;池内タオル株式会社 社名変更は2014年)
創業 1953年(昭和28年)2月11日
設立 1969年(昭和44年)2月12日
創業者 池内忠雄
池内計司氏が第二目の代表取締役社長に就任(1983年)
現在の代表者 代表取締役 阿部 哲也
本社 愛媛県今治市延喜甲762番地
資本金 70,000千円
事業内容 オーガニックテキスタイルの企画・製造・販売 (タオル、マフラー、ベッドリネン、インテリアファブリック、アパレル素材など)

企業指針
2073年(創業120周年)までに赤ちゃんが食べられるタオルをつくる

●今治市
今治市はタオルで有名ですが、特に色ものタオルが盛んな地域だったそうです。そして分業が多いといいます。中でもブランドメーカーのタオル受注が主な製品になっています。
同社も例外ではなく、問屋さんの注文をうけブランド向けのOEM商品の生産が主な事業でした。ブランド向け製品は3か月ごとにモデルチェンジをしなければ百貨店の店頭にはおいてもらえないためほぼ毎月のように新製品をだしていたと言います。

●品質管理や環境管理
1999年、タオル業界としては初のISO-14001を取得、2000年にはISO-9001を取得。以来10年間品質管理と環境管理を運用しました。
しかし何とその後はISO認証という第三者機関に頼らず、同社独自でISO以上の厳しい基準をつくり運用しています。客観的な評価を得るためにスイスのコンテックスで安全性テストを実施し、最も厳しい基準をクリアしているそうです。
品質や環境へのこのような取り組みをする会社にはお会いしたことはありませんでしたので、業界を超えて社会にとって価値のあるトップランナー企業だと言えます。

●メディアでの紹介
2002年NHK教育テレビ『21世紀ビジネス塾』でニューヨークテキスタイルショーにおいて同社の製品がNEW BEST AWARDを受賞したことが中小企業の生き残りビジネスモデルとして紹介されたことで、その後にマスコミに紹介されるきっかけとなりました。

●直販への動き
同社は時代を先取りするような先見の明によって品質と環境を追求した製品を開発していきました。多くのブランドから同社へOEMとしての注文があったのでしょう。
しかし同社は自分たちで作ったものを自分たちで売れない状況から脱却するために直営ショップをつくりました。当初はブランドタオルを買い戻して販売しようとしましたが買い戻すことも難しく、買い戻せたとしてもなかなか売れませんでした。そして不良在庫になったと言います。しかし自社販売への歩みを進めました。

●風で織るタオル

2003年、環境を追求した製品として『風で織るタオル』を販売開始します。
100%有機栽培綿、認定農地のみで栽培、認定紡績工場で紡糸する厳格さを持っていました。さらに染色工場では環境負荷の高い化学物質の使用を避けています。最終仕上げの洗浄では石鎚山系の地下水を使用、排水も世界トップレベルの設備を導入しました。
バスタオル1枚で約473gの二酸化炭素の排出削減効果があったといいます。

●2003年の危機
そんな中、取引先の問屋が倒産し連鎖倒産の危機に直面しました。その影響は大きく、2003年に民事再生法の適用を申請せざるを得ませんでした。
OEM路線から自社ブランド販売へ事業転換を明確に目指した再建プランをたて、2007年民事再生手続きを終了しています。確か社員数は半分になったと言います。

●最後に
中小企業が大手向けの下請けでいることから自社製品の直販へ事業転換することは正しいことです。問屋さんの倒産から自社の存続危機に直面したことで、同社が苦難を乗り越えて示したことは大きな意義がありました。
今では東京ストア、京都ストア、福岡ストア、今治ファクトリーストアの実店舗やオンラインストアを中心に販売がなされています。

***補足***
この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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