「確実な未来に備える」

以下は坂本光司教授著書「人を大切にする経営学講義」より「確実な未来に備える」(p234〜236)の抜粋です。

「確実な未来に備える」

企業や一般生活者は、不確実な未来に期待したり憂慮する生き方ではなく、確実な未来に備えた経営や生き方こそ、すべきである。不確実な未来とは、景気や原油価格、為替レート、株化などの先行きである。

こうした生き方をしない方がよいのは、当然である。人為的に簡単に変動されてしまうこれら経済事象の未来は、いかに複雑な計算式を用いたとしても適格な回答など導き出せないからである。

中小企業や一家計の経営努力を超越した「魔法の力」が加わっているからである。だからこそ、こんなことに過度なかかわりを持った経営や生き方をしていたら、変動のたび一喜一憂することになる。これでは長期のスタンスに立脚した社員満足度経営や、顧客満足度経営、家族満足度経営など、できるはずがない。

あえて言えば、企業経営や家計を苦境に陥れるのは、いつの時代も 不確実な未来そのものではない。これら事象の変化に右往左往せざるを得ない、他力本願・神頼みの企業経営の進め方や家計設計に、問題の本質があるのである。

もっとはっきり言えば、不確実な未来だからこそ、余裕のある大企業はともかく、中小企業や一般生活者は経済事象の行く末がどうであれ、ビクともしない経営基盤や生活基盤の構築が必要になるのである。

中小企業や一般生活者が注視すべき確実な未来は多々あるが、とりわけ決定的なのは、少子・高齢社会、地球環境最優先社会、ボーダレス社会、グローバル社会、高度知価社会などの進行である。例えば少子・高齢社会は、需要構造と労働力を中心とした供給構造に、根底的な変化・変貌をもたらすことは間違いない。

こうした時代にあって、企業の盛衰をもたらすものは、景気や政策など外部環境ではなく、不確実な未来にビクともしない経営基盤を創り出す、人財の吸収力と定着力と育成力なのである。

以下は、私、本田の感想です。私は常々、リーダーには、予測と準備が大事と思っていました。予測と準備が苦手な自分の戒めのためでもあります。なのでこの一節を取り上げました。

また「不確実な未来にビクともしない経営基盤を創り出す、人財の吸収力と定着力と育成力」からは、時代を遡って松下村塾を思い起こしたりもしました。吉田松陰先生はじめメンターの存在は当然ではありますが、大事なのですね。

ちなちに坂本光司先生は、中小企業経営者向けの講演の中で、「中小企業の社長さんらは回りに厳しい言葉を言う人はいないので、あえて厳しい言葉を自分は発するのだ」と漏らしておられました。父性の発揮ですね。

教育には、父性、母性、子供性の3つの要素が大切と言われます。お父さんの厳しさ、お母さんの優しい母性、子供性の楽しさ、です。中小企業社員教育の現場にもこの3つがあると教育がはかどると思います。教育担当者が一人で一つだけの発揮しかできないならば、他の二つを発揮するメンバーを揃え補えばよいです。あるいは一人の教育担当者が3つの要素をマルチに発揮するのもよいと思います。

(人を大切にする経営学会 本田佳世子)

(人を大切にする経営学会 本田佳世子)

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