いい会社とソーシャルビジネス

2006年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行とソーシャルビジネスについて、これまでにも何度か本ブログでご紹介していますが、先日グラミン銀行創設者のムハマド・ユヌス氏に初めてお会いする機会を得たので、ご報告をします。

11/23(土)にユヌス・よしもとソーシャルビジネスフェア2019が開催され、ユヌス氏が来日しました。多数のお笑い芸人が所属する吉本興業は「あなたの街に住みますプロジェクト」と題して、全国47都道府県に「住みます芸人」を派遣し、笑いの力で地域活性化のお手伝いするという活動を2011年4月から開始しています。2018年2月にはユヌス氏とのコラボレーションで同プロジェクトに取り組むことを発表し、ユヌス・よしもとソーシャルアクション株式会社を設立しました。その活動報告として前述のユヌス・よしもとソーシャルビジネスフェアが開催されました。
 耕作放棄地で地元の伝統野菜を有機栽培、小学校を対象に「学校では教えてくれない勉強の楽しさ」を伝える場を提供する芸人寺子屋、レクリエーション介護士2級を取得した芸人が介護施設でお笑いレクリエーションを展開、その他様々な取り組みを全国各地で行なっています。この活動について初めて知った時は、何故ソーシャルビジネス×お笑い?真剣に取り組むつもりなの?と思ってしまいましたが、プレス発表の記事を読んでなるほどと思い、以来、ユヌス×よしもとの取り組みに注目しています。

以下に記事からの抜粋・要約を記載します。
 吉本興業は、各地域で芸人たちが向き合っている地元の課題に対して、ソーシャルビジネスからの視点を加えて取り組むことで課題解決への新たなアプローチを提供できるのではないかと考え、また、よしもとの得意とする「笑い」の力でソーシャルビジネスを大衆化して社会問題を解決したいと今後の展望を語ります。
ムハマド・ユヌス氏は、多様な課題に対して地域の人たちと一緒に考えて実践していくことは重要であり、楽しく正しく問題に取り組むことを通して資本主義のシステムを超える新しい手法を創造し、社会をよりよくしていきたいと語っています。

ソーシャルビジネスフェアでは、芸人が自分の栽培した農作物の販売や活動報告をテーマにしたお笑いパフォーマンスを披露していました。
 私は、この日の特別イベントであった「未来へのダイアローグ」へ小4の息子と参加してきました。参加者はユヌス氏にソーシャルビジネスに関する質疑応答ができるというイベントです。ユヌス氏のお話しからはたくさんの感動と学びがありました。中でも特に印象的だった言葉を以下にご紹介します。
 ・ソーシャルビジネスとは、その経営方法と利益を上げるためのモデルの作り方においては普通のビジネスと同じであり、特別なものではない。異なるのは、その利益を最小限に抑えること、そして得られた利益をソーシャルビジネスへ再投資すること、それだけである。
 ・より多くの富を得ることが幸福(happy)だと考えている人々は、誰かの役に立つことでそれをはるかに超えて幸せを感じる(super-happy)という経験したことがないので、それを知らないだけなのだ。一度、他者を幸せにすることの喜びを知れば、自分の利益よりも自分以外の誰かを幸せにするために利益を得ること(ソーシャルビジネス)に誰もが夢中になることは間違いない。

同イベントの終了後、息子はよく来たねとユヌス氏に頬を両手で包み込まれて目を合わせて歓迎して頂き、私は握手を求めて快く応じて頂きました。その時の空気とユヌス氏から伝わるエネルギーをとても心地よく感じた事も印象的でした。
 この日の経験から、人を大切にする経営と利他の心に国境はないこと、利他の心を世に伝える偉大な人物は誰に対しても穏やかで暖かな対応をされるのだということを改めて認識しました。

人を大切にする経営学会人財塾生 松久 知美

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