働き方改革と就業規29

▼「理念採用」
経営者が理念経営を始めた時、
その理念が人を大切にする理念であっても、
一定数の社員が、理念に合わないといって辞めていってしまった、という話をよくお聞きします。一方で、そのような会社は、理念経営を始めた後は、
新規社員の採用にあたって、理念に合うか合わないかで判断するため、新規社員の離職者はほとんどいないということもお聞きします。
このような採用はいわば「理念採用」と言えるものだと思います。

▼就業規則の採用規定は、理念採用となっているか?
しかし、そのような会社であっても、就業規則上の採用規定は、一般的な規定となっている場合がよくあります。
厚労省のモデル就業規則では、採用規定は次のようなものです。
「第●条 会社は、入社を希望する者の中から選考試験を 行い、これに合格した者を採用する。」
しかし、これでは理念に合致するかどうかで判断することが明らかになっていません。採用の際に新入社員が理念に合致しているか否かはとても大切なことであり、会社がそれを大切にしているということを採用担当者も
応募した者も、またその後採用された者も自覚しておくことがとても大切だと思っています。そのため、理念採用の場合には、例えば次のような条項をお勧めします。
「第〇条 会社は、社員として就職を希望する者について、その能力、適性のみならず、当社の経営理念への
理解度及び共感度を踏まえ、十分に検討した上で、採否を決定します。」
理念というのは仕事の仕方というよりも、人の生き方や考え方に直結するものと思っています。
仕事の仕方を変えることはできても、理念に合わせようと変えることは大変難しいものです。出会いの時が大切です。いい出会いができるように、
採用にあたっては十分な検討をすることが必要なのだと思います。

(学会 法務研究部会 常務理事 弁護士山田勝彦)

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