川田修氏【No99書籍「かばんはハンカチの上に置きなさい」+講演から】

今回は2013年4月に坂本研究室所属ゼミ生の課題図書となった書籍「かばんはハンカチの上に置きなさい」の著者として知られる川田修氏。本書と2014年2月に行ったご講演からお伝えしたいと思います。

●川田氏の経歴と営業職の目標

現在、川田修氏はプルデンシャル生命保険株式会社 部長であり、2014年9月に設立した『人を大切にする経営学会』の理事を引き受けてくださっています。

社会人としてはじめにリクルート社に入社し、営業として実績を上げ続けた川田修氏。プルデンシャル生命のある営業さんに出会ったことがきっかけで同社へ転職します。そしてここでも自身を磨き続けトップセールスマンとなります。

同じ会社の営業職であれば同じ商品を売りますが成績に大きな差が生まれます。なぜそうなるのでしょうか?

リクルート時代は契約することが目標でしたが、プルデンシャル生命時代は契約することではなく、契約したお客様に紹介していただくことが目標となっています。

私の想像の範囲ですが、この違いは営業職の本質が問われるほど大きいもので、そこには人としてのやりがい、生きがいが大きく横たわっていたのではないでしょうか。

●書籍「かばんはハンカチの上に置きなさい」

2009年に出版した書籍「かばんはハンカチの上に置きなさい」はベストセラーとなり、講演依頼も多数あるようです。

坂本ゼミでは2013年、毎月2冊の必読書に選定されメンバー全員が読ませていただきました。

●講演でいただいた冊子「僕が教えてもらった一番大切なこと」

2014年2月に川田氏の講演を聴く機会がありました。そこでは「僕が教えてもらった一番大切なこと」(川田氏自費出版、印刷;ラグーナ出版)を配っていただきました。その講演には100人以上の参加者があったと思います。A5サイズで60数ページの冊子です。

この冊子では2つの軸を強調してわかりやすく伝えています。

ひとつ目は“期待の基準値”と“期待を超えた基準値”

“期待の基準値”とは、顧客や見込客の期待通りの対応をすることで、その範囲であればごく普通の営業職であるとしています。“期待を超えた基準値”は、相手の期待の基準を少しでも超えることであり営業職としての真価の見せ場となります。相手にあなたの存在を印象付けることができるとしています。

ふたつ目は“先味・中味・後味”

ラーメン屋さんを例に、食べる前のお店のたたずまいや店主の様子から期待させてくれること(先味)、ラーメンの味(商品自体・中味)、食べ終わったあとや帰り際の店主の一言(後味)に分けることができ、この3場面で期待を超える味付けをすることの大切さを説いています。

この冊子に書かれていることは非常にシンプルです。そして丁寧な言葉で綴られています。川田氏の人柄も伝わってきます。人としての心構えや回りとの関係性、自身の置かれた立場をしっかりと認識させてくれます。

そして、モノやサービスを売るのではなく、自分自身を売る、信用を積み重ねていくこと、

さらに、すべての言動の中心にある自分自身の理念、基軸を持つことの重要性をわかりやすく伝えてくれます。

●最後に

以前伺ったお話ですが、川田氏は確か書籍の印税を学会に寄付いただいています。

また川田氏の個人事務所では障がい者雇用をされています。

このようなことは書くべきではないのではと考えながらも、川田氏のような多くの人達が陰ながら『人を大切にする経営学会』や、障がい者をはじめとした社会的に意義ある活動をされていることも重要な事実です。

学会に関わらせていただく中で、このような“損得ではなく善悪”や“陰徳”は普段見聞きすることはありませんが、きっと多くの積み重ねが空気のように回りを包んでいるのだと感じています。

***補足***

この投稿では2012/4~2018/3までの6年間法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室で経験した【いい会社視察】・【プロジェクト】・【授業で学んだこと】を中心に、毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です