No118記憶に残る経営者の言葉⑱ キシ・エンジニアリング株式会社(島根県出雲市;建設業)岸 征男会長
キシ・エンジニアリング株式会社の設立は1985年、創業者は岸征男さんです。
その頃、岸さんには生後7か月の娘さんがおり、幸せな家族がそこにあった筈でした。
しかし娘さんが風邪をこじらせたことがきっかけで脳に致命的な障害が残ってしまったのです。その小さな体では、自力で呼吸をすることが困難でした。深い悲しみのなか、岸さんは最愛の娘さんのために人工呼吸器をつくることを決意します。大手メーカーを退職し同社を設立したのです。
娘さんは29才の時、突然の心臓発作で亡くなられています。それでも岸社長は世界中で同じような障がいで困っている人達へ製品開発の情熱を持ち続け、世界中の人々のためにトップランナーとして最前線を走り続けています。
設立から30年以上が過ぎた2018年、私達は坂本研究室として視察させていただきました。
“娘のことは決して悪いことばかりではなかった。結果的には娘が好きなことをさせてくれた。娘のおかげ。娘が与えてくれた多くのことがあった”
“障がい者の願いは自立すること。決して手助けをしてほしいわけではない”
この言葉は今も強く記憶に残っています。
以前に投稿した記事は キシ・エンジニアリング株式会社【No86いい会社視察2018/2】 です。このブログ内を検索してご参照ください。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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