No123記憶に残る経営者の言葉㉓ ワークスみらい高知(高知県高知市;障がい者の生活・就労支援事業)代表;竹村利通

2012年に視察に伺ってからもう8年も過ぎました。当時、障がい者120名、職員120名の組織でした。

 “福祉の人は優しすぎる。障がい者のことを知りすぎていて先回りしてしまう。さまざまな作業をやらせなさすぎる。やらせてみて失敗させて成長させることが大切”

“私にとって仕事は社会に何かを伝えること”

代表の竹村利通さんは元々ソーシャルワーカーとして高知市の病院に勤務していました。退院した患者さんが社会になじめずに再入院する姿を目の当たりにして、受け入れる地域に受け皿が必要だと考えました。地域の在り方を考えるために3年間勤務した病院を辞め、高知市の社会福祉協議会に転職しています。

社会福祉協議会では“かわいそうな障がい者のために何かしてあげる”という目線に直面しました。

内職作業が与えられ時給50円~100円の工賃を払います。職員たちは障がい者やその家族から先生と呼ばれ、工賃とは数十倍の給与が保証されている現状に問題意識を感じていきました。例えばティッシュ詰め作業1000個の場合、障がい者が16時までの利用時間に800個できたとすると、納期がせまっている場合には、職員が残り200個を残業して作業しています。もちろん職員の給与は障がい者と同じ工賃の扱いではありません。

竹村さんは15年勤めた社会福祉協議会を2004年に退職し、ワークスみらい高知というNPO設立という道へ進みました。

創業後半年間で3000万円の赤字を積み上げたどん底から立ち上がっています。

視察に伺った時はすでに設立から8年。

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m’s kitchen(お弁当屋)、食品工場やカフェ、美術館と順調に事業を広げていました。

美術館で働く知的障がい者の親御さんからは、“息子が美術館で働けるとは思わなかった。ありがとう”  竹村さんはその言葉に“やって良かった、救われた”とおっしゃいました。

以前に投稿した記事は ワークスみらい高知【No88いい会社視察2012/9/2】 このブログ内を検索してご参照ください。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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