人を大切にするいい会社:協和

 こういう時期だからこそ、坂本光司先生の著作に掲載されている“人を大切にする会社”を、改めて学び直しています。

 皆さんご存知なこととは思いますが、今回、“協和(ランドセル、スーツケースなどの製造販売会社)”についてご紹介させて頂きたいと思います。(“協和”のホームページ:http://www.kyowa-bag.co.jp,https://fuwarii.com

 <今回の内容>
1. “創業者の想い”
 - みんなで協力し和を重んじる会社にしたい -
2. “社風”を伝えるエピソード
 - 限りない優しさがあるから、みんなが嬉々として働く -
3. “私が感じていること”
 - 社長の行動が、会社を決める -

. “創業者の想い - みんなで協力し和を重んじる会社にしたい -
この創業者の想いが、”協和”という社名となっています。

○どんなときでも仲間や同僚と協力して助け合う
 創業者は、21歳で召集され戦地に行きましたが、4,000人の部隊がわずか40人しか生き残らなかった過酷な戦争を体験して日本に帰国しました。「生死を分けたのは、食べものでした。どんなときでも仲間や同僚と協力して助け合う人が、食べものにありつけた。」極限状態のなか生き残った創業者は、“亡くなった彼らの分まで生きなければならない”という強い使命感を持ったのに違いありません。

. “社風を伝えるエピソード
 - 限りない優しさがあるからみんなが嬉々として働く -
“協和”の社風が伝わる“エピソード”をお伝えしたいと思います。

○肩ひも片方だけのランドセルがつくれませんか?
 “協和”が障がい児向けのランドセル“ユーランドセル”をつくるきっかけになったのは、「片方の肩ひもだけで背負えるランドセルをつくってもらえないか」問い合わせが入ったことからでした。
 肩に障がいのある子の親からの相談でしたが、手間とコストがかかるので依頼を受ける会社はなく、唯一“協和”だけが“お客さまの要求を断らず”引き受けました。
 3ヶ月後“ワンショルダーの世界でたった1つのランドセル”が出来上がりましたが、“弱者に優しくしなければならない”と価格は通常のランドセルと同じになりました。「事業としては全くの赤字ですが、お金には代えられない仕事のやりがいを社員たちにもたらしてくれ、社員たちは燃えるほどのやる気で取り組んでくれています。」

○時を超えて届いた、お母さんからの手紙
 “協和”のランドセルを買うと、“未来へつなぐタイムレター”というサービスがあります。これは入学時の想いやメッセージを手紙にし“協和”に送ると、3年生まで保管し成長した子へ返送されるものです。実は、東日本大震災のときに、震災で亡くなったお母さんから仮設住宅に住むその子に、3年後“タイムレター”が届きました。「‥げんきにがっこうにいくすがたにあんしんしています。このてがみをみんなでよんでいるところをたのしみに、これからがんばっていきます。」
 母親の愛情が伝わり、その子は号泣してしまいました。このエピソードは、“こんのひとみ”さんという絵本作家によって絵本になったそうです。

○あなたでなくてはダメなんです
 “協和”には、65歳を過ぎても働いている高齢者が何人もいます。定年は60歳ですが、本人が希望すれば例外なく会社で働けるのです。「高齢者を会社都合で辞めさせたことは一度もありません。なぜならその人でなければ分からないこと、できない仕事があるからです。“あなたでなくてはダメなんです”とお伝えしています。」

. “私が感じていること
 - 社長の行動が、会社を決める -
 昨年、人財塾で坂本先生と一緒に“協和”にお伺いする機会がありました。その時、社長はとても体調が優れず声も満足に出せない状況でしたが、私達のために心を込めて一言一言丁寧にお伝えくださいました。
 その真摯な姿勢と話の内容に、身体が震えるほど感動したのを覚えています。1つだけ、社長のお話をお伝え致します。

○社員との“1:1メール”がいちばん大切です
 社長が最も大切だと言われたのが「(パートも含めた)全社員との“1:1メール”」です。8,000件/月ものやりとりになるのですが、どんなに忙しくても必ず返信をするそうです。「私は“その人にとっての幸せ軸”で社員の働き方を決めていますので、制度はつくりません。その為には、社員に関心をもつことが大切なのです。」
 これほどまでに、社員のことを考えてくれる会社があるでしょうか。このような社長の日々の行動で、限りなく優しい“協和の精神”が社員のすみずみまで行き渡るのだと感じました。
 “協和”は、こんなにも優しさに溢れる会社です。社員に優しいばかりでなく、当然お客さまのことを第一に考え、価格6万円代を超えるランドセルは作らないと実行されています。「6年間使用するお子さんのことを考えると、それ以上必要な機能などありませんから‥」。

 先日、コロナ禍ほかで経営状況が厳しいとの情報がありましたので、些少なりとも応援したいと個人で“協和のスーツケース”を購入しました。こういう日本の宝の企業こそ、みんなで応援できればと思います。

(人を大切にする経営学会人財塾2期生)合同会社VIVAMUS 中村敏治

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