「強く生きたいと願うきみへ」
坂本光司先生の著書のうち、坂本ゼミ生がお気に入りの本の上位に挙げたのが、「強く生きたいと願う君へ」です。
「はじめに」などから、私の好きなフレーズを抜粋させていただきます。
本当に強い人は、何があっても他者を責めません。
そして、例外なく、どんなときでも弱者に優しい。
そうでない者は、たとえ一時「勝者」であっても、
必ず滅びるのです。
それば、四十年間にわたり、
六六〇〇社の経営者・従業員の生き様を見てきた
私がつかみ取った「ゆるぎない真実」です。
(中略)
そして、ひとつの原則を見出しました。それは、企業の長期的な業績は、経営者やリーダーの「人間性」や「生き方」をそのまま反映するということです。
最大のポイントは、「自律心」と「利他の心」です。
社員や取引先、お客さまをはじめとする関係者を幸せにしたい、世のため人のために役に立ちたいという「利他の心」を軸にしながら、他者に依存、追随せず、自分の頭で考え、自分の足で歩き続ける。そんな姿勢を貫く経営者やリーダーのいる会社は持続的に成長するのです。
もちろん、企業といえども生き物ですから、いいときもあれば悪いときもあります。
しかし、たとえ経営状況が悪くなっても、「景気が悪い」「政策が悪い」「大企業が悪い」「社員が悪い」と他者を責めるのではなく、「自分はどうすべきか?」と考え、誰よりも努力し苦労する。自分が生き残るために利益の確保を最優先にするのではなく、あくまでも関係者の幸せを第一に考える。だからこそ、画期的なアイデアも生まれ、周りの人々も力を貸そうと思う――。
そのように成長の年輪を刻んだ会社は、多少のことがあってもビクともしない強さを身に付けるようになるのです。
(中略)
強く生きるためには、もちろん「力」が必要です。
しかし、それは他者を打ち負かす「力」ではありません。
世のため人のために役に立つ「力」にほかなりません。それこそが、本物の「力」なのです。
そして、本当に強い人は、「勝ち負け」とは関係ののない生き方をしています。できるだけ多くの人を幸せにするにはどうすればいいかを考え、実践し続けているのです。
お金や物的優位性を誇ることもありません。もっと「高い価値」を人生に求めているからです。
だからこそ、地に足のついた確かな足取りで人生を歩んでいけるのです。
人生に逆風はつきものです。しかし、こういう生き方をする人は、ちょっとやそっとのことでは折れません。周りにも支えられながら、いつか困難を乗り越えていくのです。
(人を大切にする経営学会会員 本田佳世子)
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