No162記憶に残る経営者の言葉62 ショコラボ(一般社団法人AOH)(神奈川県;チョコレート等製造販売)伊藤 紀幸会長
今回は2017年10月に坂本ゼミの授業内でお話を伺った『一般社団法人AOH(通称;ショコラボ)』伊藤紀幸会長のお話から印象に残った言葉をお伝え致します。
伊藤会長の息子さんは知的と身体に障がいをおもちです。
2002年、運よく横浜にある国立の養護学校に入学でき、“12年間で息子さんに何かいいことがみつかるのではないか”、 “息子さんがラッキーカードを引いてくれた” と嬉しい気持ちがあったそうです。
しかし、はじめて学校の先生の話を聞いた時、その考えはなくなりました。“就職できたとしても月給は3000円と聞いたから”です。障がい者のおかれた現実が伊藤会長の心に火を着けたのです。
“それまでは息子のために少しでも多くのお金を残そうとしていたがその考えは間違っていた”
“お金ではなく息子さんを含む障がいのある人達が豊かに生きていくための仕組みを残すことこそ使命”と考えました。
2002年、大手金融機関を退職し不動産投資研究所設立、そして2012年11月に障がい者支援のための一般社団法人AOHを設立しています。
お話を伺った2017年ではすでに工賃は2万円ほどあり、全国平均を大幅に上回っていました。しかも工賃以外に毎月の積立1万円などがあるため実際には3万円になっていました。
伊藤会長はショコラボの経営について、“正直失敗はしなかったけど成功もしていない”と言います。
“分析や戦略立案のように『頭で考えたビジネス』を企画しがちだといいますが、そうではなく、『心で感じたビジネス』が重要”とお話されました。
そしてショコラボの経営から学んだこととして、“決意すること、他責ではなく自責”とお話されていたことがとても印象的でした。
以前に投稿した記事は ショコラボ【No98いい会社 特別ゼミ2017/10/7】 です。このブログ内を検索してご参照ください。
***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)
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