No163記憶に残る経営者の言葉63 こころみ学園(ココ・ファーム・ワイナリー)(栃木県足利市;ワイン製造販売他)笹井正治事務局長

今回の記憶に残る経営者の言葉は2012年と2015年に坂本ゼミとしてご訪問した『こころみ学園とココ・ファーム・ワイナリー』さんです。2回ともこころみ学園の事務局長であり、ココ・ファーム・ワイナリーの総合事業部長でもある笹井正治氏にお話を伺いました。(役職は2012年のお名刺より)

ココ・ファーム・ワイナリーと言えば、今では多くの方の知るところとなった“障がい者が作るワイン”として有名です。

2002年には 第1回 渋沢栄一賞を受賞。

2000年にはココ・ファームのワインが九州・沖縄サミットの晩餐会、2008年には北海島洞爺湖サミット首相夫人主催の夕食会、そして大手航空会社の国際線ファーストクラスでも採用されるほど価値あるワインとなっています。

●1958年、中学校の特殊学級の先生であった川田昇氏が、生徒たちと山林をブドウ畑として開墾したことが始まりです。

“この子たちに格好良いことをさせたい”

中学校の特殊学級の生徒たちが斜面の平均勾配38度の山林を開墾したのです。

●1969年、川田昇氏が中学校の教員を辞め「こころみ学園」開園。初代園長として就任されます。

1980年、有限会社ココ・ファーム・ワイナリー設立。(資本金2000万円)

当初は「こころみ学園」としてワイン作りを目指しましたが、“税務署から『補助金対象であるこころみ学園が、酒税を納めることになることは問題』と指摘され酒造免許を断念”

“しかし父兄の賛同をえて有限会社樺崎産業(のちのココ・ファーム・ワイナリー)を設立し、酒造免許を取得。1980年にワイン作りを開始”

●障がい者の活躍する例

・製造ラインでは瓶詰されたワインにコルクで蓋をしますが、コルクの“かけら”が瓶の中に入ってしまう場合があります。しかし、“ある障がい者はその研ぎ澄まされた視力でワインに混入されたコルクのかけらに気づく”と言います。

・洗濯をお仕事として担うある障がい者は、“約100人分の洗濯モノを、誰一人間違わずに本人に渡す”のです。名前は書いてあるものの間違えない正確さを誇っています。

ココ・ファームのワインを目にしたときは、できるだけ購入させてもらうようにしています。福祉施設が運営する販売店などでもココ・ファームのワインを販売していることがありますので、目に留まった時には是非お買い求めください。

以前に投稿した記事は 社会福祉法人こころみ学園(有限会社ココ・ファーム・ワイナリー)【No61いい会社視察2012/6/22、2015/8/31】 です。このブログ内を検索してご参照ください。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です