SDGsは「食物肉」も作る

スーパーや飲食店で大豆などを使った「植物肉」食品をよく目にするようになりました。植物肉は牛や豚などの家畜の肉に変わるたんぱく源です。人口増加による食糧難や環境問題対策にもつながる食材と期待されています。植物肉は大豆やエンドウ豆など植物由来の原料を加工して作った肉状の製品で代替肉と呼ばれています。

植物肉を本物の肉に近づけたのは、人工知能(AI)など先端技術を駆使したフードテックの応用です。植物肉製造のDAIZのように、原料に使う大豆の発芽条件や他の豆の組み合わせ分量など、700成分を超えるビッグデータを分析し、牛や豚など肉ごとの味や食感を再現します。鶏のささみのように繊維を細かくほぐすこともできます。

植物肉の市場が急拡大している理由は、新型コロナ禍で外食が減り、健康意識の高まりがあります。植物肉はベジタリアンやビーガンなど菜食主義や宗教上で肉を食べられない人向けが中心です。さらに、人口増による食糧不足、畜産拡大に伴う環境負荷の増大、食習慣の多様化があります。実は、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方も拡大の理由に挙げられます。

牛や豚などの家畜はエサとして大量の穀物が必要で、ゲップなど温暖化ガスの排出になります。植物肉なら温暖化ガスの排出を牛肉の25分の1以下、使う水の量を約8分の1に減らせるという報告もあります。調査会社シード・プランニングの試算では、世界の植物肉市場は10年後に現在の8倍の886億ドル(約9兆8300億円)に達するとのこと。

「20年後には豚肉を食べたことがない子供がいる」と指摘する研究者もいるので、ビックリの社会変化です。(人を大切にする経営学会会員 根本幸治)

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