非価格経営は、過去の自分(自社)との闘いである

今年3月まで人財塾にて学び、「もう価格で闘わない」坂本光司先生著(あさ出版)の事例の取材・執筆の機会を幸運にもいただきました。

 「もう価格で闘わない」は、非価格経営を実現した会社(店舗)24社が、それぞれどのようにして、その経営にたどり着いたのかを紹介しています。
私は3社を訪問・取材させていただきました。いずれの企業・店舗も以前は、他店と同じもの、同じようなサービスを普通に提供していました。しかし、ある日、信念と覚悟を持って非価格経営への道を歩み始めます。

 そのうちの1社、スーパーまるおか様(群馬県高崎市)は、社長の丸岡守さんが独自の仕入基準で全国から揃えた美味しいものだけしか売っていない食品スーパーです。普通のスーパーに必ずあるようなナショナルブランドの商品は一切なく、味、原料と製造方法、添加物へ回避など、良い商品ばかりが並んでいます。取材で訪問した際も、あれもこれもと買い過ぎてしまい、帰りの荷物は重くて難儀しました。
 丸岡さんは、父から継いだ店舗で薄利多売の商売をしていましたが、「美味しいものを食べて幸せに、食を通して健康になってほしい」という信念で、商売の方法を変えることに至りました。
 最初は、ブロイラーの鶏肉を止めて、美味しい「南部どり」に切り替えることからでした。丸岡さんは、ブロイラーと南部どりを両方並べることをせず、全部切り替えてしまったのです。お客様からの反発はもちろん、従業員からも反対を受けたそうですが、試食を繰り返すなどの努力を重ねていったそうです。結果、南部どりが定着するまで2年かかったそうです。
 そのようにして、お店の商品を徐々にナショナルブランドから、こだわりの商品に切り替えていきます。お店の商品が全部こだわりの商品になるまでに要した時間は、なんと20年以上。信念が実るまでの時間のなんと長いことでしょう。本当に驚きました。

 スーパーまるおか様は20年以上前、昨日までの商売の方法に決別し、新たな道を歩み始めました。非価格経営は、昨日までの自社と戦うようなもので、己で己を否定していく厳しい道だと思います。
 一方、多くの企業がしている価格競争は、他社との闘いです。厳しいようですが、見える敵を追っているだけです。
 非価格経営は経営者様の覚悟や執念、信念が生み出している。。。その凄さを経営者様から直接伺い、感じ学べたことに感謝しています。

人財塾3期生 有村 知里

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