障がい者の雇用とは

第三期と第四期の二期連続で学んでいる葭野です。
EMBAの学びは経営者として得ることが多いのですが、特に障がい者雇用については
多くの気づきがあります。今回のブログでは当社の現状についてご報告いたします。
会社規模から考えて、障がい者雇用など検討したことがない会社様でも十分活躍の場が与えられることをお伝えしたいと思います。

当社には障がい者手帳は取得しておりませんが)健常人と同じようには働けない社員2名と、障がい者手帳取得者2名が在籍しています。全社員は28名です。

①30代男性 通常採用

前職で人間関係につまずき出社不可能になる(大学研究職)通院しながら2年が過ぎ徐々に社会に戻りたいとのことで、彼のご両親が私と知り合いだったためアルバイトの在宅でできる仕事で雇用してもらえないか?と依頼を受けました。
在宅での仕事という条件だったので、できることを探すと事務所内にある大量の書類が目につきます。
過去の現場のものでしたが、保存期間が終了しているものが多くありました。しかしそのお客様からの問い合わせに備えて保存していました。そこで彼に社内資料のデータ化をお願いすることにしました。
書類をスキャンしザーバーに保存するという単純作業でしたが、長い引きこもり期間の後の手始め作業として開始しました。
彼は午前中睡眠薬の反応で仕事ができず通院もあるため週4日13時から18時までスキャナー(家におけるものを購入し届けた)で書類読み取りの仕事をお願いしました。
寝坊や体調不良等ありましたが、人とのかかわりがない仕事でしたので自分のペースで仕事ができたようです。1年半は同じ状態でした。
資料すべてのデータ化が完了し、在宅での仕事が見つからなくなりましたので会社に出社してくれれば仕事はあるとお話ししました。
彼は医者に相談し許可をえて、週4日出社し午後から事務手伝いを始めました。
出社して私の書類作成の手伝いをお願いしました。社内の人間関係にも慣れ、体調も安定してきました。半年が過ぎたころ、彼から正社員になりたいと申し入れがありました。
お互い良く話し合い①午前10時出社すること(ただし遅刻してもよい)②職種は適正をみてWEBマーケター。研究職からの転職ですので教育は当社で行うこととしました。実は当社ではWEBマーケターを募集しても応募がなく困っていました。
現在正社員になって半年、最初のアルバイトから2年半が経過しました。ひと月に2日ほど体調が悪くお休みしますし、遅刻はたびたびです。が、生真面目な性格が評価され、若手社員からの信頼が厚くなってきています。
10時に出社できなくても、遅刻した分は退社時間を延ばすことで罪悪感を持たないこつのようです。建築業でWEBマーケターを雇用することは中小企業では難易度が高いのですが、WEB集客に尽力してもらっています。

②22歳女性 通常採用

てんかんの持病はあるものの、事務職として新卒で雇用。
現場で働くことは難しいが、事務+デザイン専門学校出身のセンスを生かし
事務20%・SNS投稿と広報活動80%の仕事に決め、現在半年が経過しました。

③ 30代男性(身体障がい者)

臓器移植後コロナ感染をさけるため、障がい者枠で初めて応募。
在宅で週20時間の事務をお願いしています。
主に勤怠管理のデータを管理しており、出退勤押し忘れのフォローと現場ごとにかかる工数割り出し、現場移動交通費の申請の確認をお願いしています。 
現在半年経過し、人事事務すべてを行っています。
月に3日ほど体調不良で欠勤はありますが、仕事は正確にしてくれています。

④ 40代女性 (精神障がい者)

精神疾患があり、数年通院し無職であったが病状が安定したため就職を探していたところ、当社の募集が在宅だったため、兵庫県に住んでいるが応募してくださいました。
工事現場管理ソフトで協力会社への受発注を管理し、請求書を確認する作業をお願いしています。現在半年経過し、 安定して事務作業を行っています。とても真面目で几帳面なため、能力を発揮されています。

③④の方は2月にハローワークで募集をおこないました。事務所が手狭なため、在宅で事務作業員を募集することになり、ハローワーク窓口で障がい者雇用の可能性を打診されました。
坂本先生のお話をうけ、社会の公器としての役割を果たすため障がいのある方の募集をしたところ、1週間で30名あまりの応募があり、3名採用となりました。(その内1名は3か月で退社されました。精神障害をお持ちの方でしたが、仕事が理解できないという理由です。)
坂本先生のお考えがなければ、障がい者雇用など考えもしませんでしたが、
ここ2~3年で多くの出会いがあり、様々なハンディキャップがある方に働いてもらっています。通院や体調不良など突発的におこる症状に対し、おおらかに見守ってあげることで能力が発揮できると感じています。

これからも当社独自の募集では集まらない職種などを、在宅で補ってもらいたいと思っています。在宅であれば精神障害があっても人間関係で悩むことがないため、安定して仕事に取り組めるのでは、と思います。
真剣に向き合った結果、多様を認める社風が醸成されており組織に厚みがでたと感じます。すべて坂本先生の教えを実践した結果です。ありがとうございます。

人財塾3期、4期生 株式会社ヨシノスペースデベロップメント 葭野一恵

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