No199 印象的だった経営者のお話 ~厳しい局面を乗り越えて~

長らく企業経営をしていれば思わぬ事態に遭遇します。歴史的に見ても天災に限らず、バブル崩壊やリーマンショックなどの人災、現在の産業変革など必ず転機がやってきます。

今回は先週に引き続き、逆風を乗り越えた企業を取り上げました。逆風というより困難、試練、危機という言葉が近いでしょうか。

●株式会社坂東太郎 代表取締役会長 青谷 洋治

青谷社長(当時)が念願のお蕎麦屋を開店させてお店をもった頃(昭和50年代)のお話です。

暫くして店舗が2つになり出前が売上の約80%を占めていたある日、悲劇に襲われたのです。

・11:30に配達にいった従業員が交通事故をおこしてしまいます。

・さらに同日12:45に別な従業員も配達中に事故をおこしてしまいました。

お昼に頼んだ店屋物なのでしょう。お店も忙しかったのかもしれません。青谷社長はその場で出前をやめることを決断。生死をさまよった従業員の命が同社の大きな転機となっています。

出前を廃止したことでお店はお客様の席を増やす改装を実施。開店時の借入金もありましたが、さらに借入は増えました。そんな中、青谷社長(当時)は銀行に就職していた中学校時代の友人に相談したところなんと1年しないうちにその友人は銀行を辞めて入社してくれたそうです。

同社は、創業間もなく事業を大きく見直して、借入も増える大きな試練を乗り越えていました。

坂東太郎さんを知るほど、正しいことを見極めて正しい判断をしている、と感じます。その普遍的な事業展開がいまの多くの企業に必要なことだと実感します。

●IKEUCHI ORGANIC 株式会社(旧;池内タオル株式会社 社名変更は2014年)

第二目の池内計司代表取締役社長のお話から

〇風で織るタオル

1999年、タオル業界としては初のISO-14001を取得、2000年にはISO-9001を取得。以来10年間品質管理と環境管理を運用しました。

しかし何とその後はISO認証という第三者機関に頼らず、同社独自でISO以上の厳しい基準をつくり運用しています。

2003年、環境を追求した製品として『風で織るタオル』を販売開始します。

100%有機栽培綿、認定農地のみで栽培、認定紡績工場で紡糸する厳格さを持っていました。さらに染色工場では環境負荷の高い化学物質の使用を避けています。最終仕上げの洗浄では石鎚山系の地下水を使用、排水も世界トップレベルの設備を導入しました。

バスタオル1枚で約473gの二酸化炭素の排出削減効果があったといいます。

〇2003年の危機

そんな中、取引先の問屋が倒産し連鎖倒産の危機に直面しました。その影響は大きく、2003年に民事再生法の適用を申請せざるを得ませんでした。

OEM路線から自社ブランド販売へ事業転換を明確に目指した再建プランをたて、2007年民事再生手続きを終了しています。確か社員数は半分になったと言います。

中小企業が大手向けの下請けでいることから自社製品の直販へ事業転換することは正しいことです。問屋さんの倒産から自社の存続危機に直面したことで、同社が苦難を乗り越えて示したことは大きな意義がありました。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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