形式的な真似ごとでは難しい

今日は、第12回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞授賞式を開催いたします。13時~15時の予定で、オンラインでは一般の方も視聴できます(https://youtu.be/epKart2HXng)。

大賞を受賞する企業は、誰が見ても優れた経営をしており、また真の意味で、「人を大切」にしています。毎回、学ぶ機会を頂いております。

そしてついつい大賞企業さんが実践されている福利厚生や様々な取り組みを真似してみたくなります。真似ることは決して悪いことではないのですが、ただ形式的にそれを真似ても、企業はよくなりません。

そのように形式的に真似をすることは意味がない、ということのたとえに「カーゴ・カルト(積荷信仰)」という信仰があります。これは太平洋戦争時に、アジアの島々に欧米の軍人が来た際、飛行場に缶詰めなどの食べ物が輸送されてきた風景を目にした人々が、戦争終結後、ココナッツや藁で作ったラジオや木を削ったヘッドホンを作り、管制塔を模した場所で着陸信号を送るなどして欧米軍人の航空兵を真似るお祭りをし、天から食べ物を呼び寄せようと考える招神信仰のことです。いくら形だけを真似しても、実際に軍人が食物を輸送してきたように食物が天から降りてくることはありません。

私も、子どもの頃から、どうしても形から入ってしまうタイプです。たとえば、好きなテニスプレーヤーと同じラケットを買ってみたりするなどです。しかし、当然に、それでテニスが上手くなることはありません。

同じように、人を大切にしている会社も、目に見える物・事だけを真似ても、同じような会社にはならないのです。

坂本先生がいつもおっしゃっているように、経営者の在り方そのものを真似なければ、いい会社にはなりません。でも「在り方」は、とても見えにくく、分かりにくいので、簡単には見つからないし、理解もできません。私も、ずっと「在り方」を探っている毎日です。今日もいい学びの日になると確信しています。 (学会 法務研究部会 常任理事 弁護士山田勝彦)

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