(株)HSAが介護事業サービスを行う理念

小田原の敏腕女性経営者の秋元美里社長(まるだい運輸倉庫)から、「坂本光司先生に紹介したいスゴイ経営者がいる」とお話いただきました。株式会社エイチ・エス・エーの田中勉社長。この会社は、第6回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(2016年3月表彰)の厚生労働大臣賞を既に獲得され、この表彰会は私も法政大学大学院坂本ゼミの一員として運営していました。

田中社長の表彰の弁は以下の通りです。                           「この度は、厚生労働大臣賞という名誉ある賞を頂き、感謝お礼申し上げます。当社では、人生の多くの時間を使う仕事を、会社理念を基本に【働く人自身が、未来を創造し選択できる会社組織を築きたい!「~何を、どの様に、どうすれば、どうなるか~」】をミッションに、働く人の成長に会社の成長を合わせる経営を心掛けています。まだまだ道半ばですが、これからも「より良い会社」を目指して探究と挑戦を続けていきたいと思います。有難うございました。」

秋元社長によると、「田中社長ほど自分に厳しく人に優しい経営者はいない」とのことです。田中社長は、神奈川県中小企業家同友会に所属される有名な企業家です。「社会的企業」を企業理念に掲げ、「会社は『人間力』を学ぶ『社会学校』である」と明言されています。

田中社長は、地元の小田原の高校を卒業し、父親の希望通りに一部上場企業の自動車メーカーに就職しました。しかし3年が経って退職します。「30代、40代の先輩たちが輝いて見えませんでした。一人の人間として、人間性がなくなると思ったのです。」

自己啓発のセミナーに通い始めてから人生が変わります。涙を流すほど感動する話もあったが、自分が何をしたらいいのかわからなかった。そんなときに、社会学の本に出会う。「求めているのは、これだ!」と思った。社会学の本をむさぼり読んで、勉強を始めた。「社会学を学び始めてから、生まれて初めて勉強が楽しいと感じました。」

社会学を勉強していくうちに、仕事の原点は誰かの役に立つことだと気づくのです。
きっかけは、医療保険を使ったマッサージをしているNPO法人で、右半身不随の方が、西洋医学では治療できない右半身に東洋医学のマッサージをすることにより、少しではあるが機能を回復し、とても喜ぶ姿を見たからだった。こんなに人に喜んでもらえる仕事は、他にはないと思ったのです。

しかし、医療保険を使ったマッサージはあまり一般的ではなく、小田原市では前例がなかったため、許可がなかなか出なかった。すでにスタッフも集め、患者も付いていたので、見切り発車をした。レセプトを拒否する法律がなかったからである。だが、入金するのは半年後。理念に賛同して集まってくれたスタッフも、不安になって一人、また一人とやめていきました。

介護保険が始まり、訪問介護事業に着手します。その翌年には、居宅介護支援事業や福祉用具貸与事業も開始します。さらにその翌年には、福祉タクシー事業、次いで、身体障害者・知的障害者・児童居宅介護事業と、次々に毎年事業を拡大していき、2004年(平成16年)には有限会社から株式会社へと組織変更するまでになったのでした。(学会会員:根本幸治)

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