就職活動 経営理念を重視するか?

学生が就職選択において重視するのは、年収や福利厚生、やり甲斐が挙げられます。年収や地位よりも自分が会社や社会に対してどれだけ貢献できるかを重視する傾向が強まっています。自分の能力を活かし高めることで、自分の存在価値を見出し、自分の生き方に安心できるのです。

では、他に重視すべき会社選択の要素は何でしょうか?

少ない会社情報の中で学生がよりどころにするのは、就職希望先の経営理念です。

現代の多くの学生は、「社会貢献」という言葉に魅了されます。

実際に多くの会社の経営理念には、この言葉がちりばめられています。

地元地域や世界の人々(顧客)に喜ばれる仕事はワクワクします。この経営理念への共感を志望理由にあげる学生もいます。

ならば、各社の経営理念を比較して就職先を決定することは有効でしょうか?

この各社の経営理念について、旧坂本ゼミでは調査研究し、著書として発表してきました。

ゼミ内の研究を通して私が得た分析は、世界の人々を幸福にすることを謳う会社よりも、自社の社員の幸福を謳う会社の方が、社員のやる気が高く、就職先として好ましい、という結論です。

企業理念において、世界貢献という壮大なビジョンがモチベーションを高めてくれますが、継続した会社生活の中で、行動の矛盾が見えてきて失意を抱く社員も多いようです。

社員の幸福はいつも社員によって観察されます。ウソが簡単に見抜かれます。ゆえに、経営者にとって厳しいハードルとなります。また、理念通りに社員が幸福であるかの検証は外部の人間でも容易に確認できます。理念の実践が浸透されている会社か否か、視察で一歩社内に足を踏み入れただけでわかります。社風は、ネット分析ではわかりませんが、現場で感じることができます。

経営理念に「社員を大切にする」を掲げる会社こそ、安心できる就職先だと考えます。      (学会会員:根本幸治)

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