就職活動 坂本先生の同伴

私の就職活動は、バブル絶頂期の1989年、同志社大学経済学部4年生の時でした。                 金融業を中心にいろんな業界の会社を回り、銀行や証券から複数の内定をもらいました。             最終的に野村アセットマネジメントという投信業界に入社することを選択しました。

証券業界のオモテとウラを長年見てきて、自分の生き様として仕事を考えるようになりました。     バブルがはじけて、会社の利益を最優先にするという常識は大きく変わりました。         それでも、会社員という組織の立場と自分らしさという個人の立場で矛盾する局面がよくありました。

2014年に『日本でいちばん大切にしたい会社』という本を読んで感動し、著者の坂本光司さんは法政大学大学院の教授だとわかり、このゼミに入ってみたいと強く思いました。社会人として学び直し修士号を取得することにワクワクしました。

2015年に試験を合格してから3年間、坂本先生を師として仰ぎ勉強しました。坂本ゼミは机上の研究ではなく、現場に行って「いい会社」を発掘し世に知らしめす活動を行います。「いい会社」とは、顧客を大切にする企業ではなく、社員を大切にする会社だと教わります。

ゼミ活動を通じて、自分の仕事への考え方は大きく変わり、転職を考え始めます。「いい会社」を株式投資の面で探し、会社も社員も投資家も幸福な生き方ができる投資が存在することを証明する活動をしたいと考えました。

私は、さわかみ投信に転職しました。通常の財閥系列内で運用と販売を連携する金融機関ではなく、自分で運用し自分で販売し自分で説明して投資先企業を開示する独立系の投資信託会社です。運用会社が一般投資家と直接会話する形態を国内で初めて作った会社です。

この転職を内定をもらった後に坂本先生に報告させていただきました。              すると坂本先生がおっしゃいました。                            「教え子の就職に責任を持つのが私の立場です」

坂本先生は分刻みのスケジュールを押し明けて、さわかみ投信の澤上社長とアポを取り私の同伴をしてくださいました。そして、わたしの人となりを説明し内定に間違いないことを保証されました。また、ご自身が苦手とする投資の世界について、社長から教えを乞うておられました。

私には震える感動でした。                                  ここまで人と人の繋がりを大切にされる師匠なのです。                      「いい会社」とは、いい人の連鎖だと思い知りました。                    (学会会員:根本幸治)

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