リーマンショック時の思い出

こんにちは!人財塾3、4期生OB石井です。宜しくお願い致します。

15年前のリーマンショック時のことです。機械加工の下請けをやっていたわが社では皆さんと同様仕事が激減して大変でした。そこでネットで見かけた、あるバルブメーカーの購買先募集の掲載を見て営業に行きました。その企業は技術もある著名な会社でした。が、出て来た50過ぎの資材担当の方の話を聞き、がっかりしました。

「何よりも今の下請け先より安くなればいい」「安かったら転注する」、ステンレスの鋳物でかなり厳格な管理をしなければ出来ない仕事にもかかわらず大した金額にならない仕事について、その方は簡単に言ってのけました。そして最後に「下請けから安く買って自分たちの雇用を守る」と言い捨てました。訪問した自分達には惨めな気持ちが残っただけでした。

その企業に勤めるサラリーマンにしてみれば、会社全体がリストラの陰におびえていた状況だったのでしょう。だから誰もが仕事が無くて苦しんでいる状況でも現在担当している会社から仕事を取り上げても仕方ないと言うわけです。しかし資材担当者の言動に私は嫌悪感を抱き、その会社を軽蔑しました。こんな会社にはなりたくないなと。

外部に負担を押し付け自社だけがしっかり儲け、組織の利益を最大化して所属する社員の幸福を実現する。このような考えが当たり前だったからこそ、この資材担当者は何も考えず発言出来たのだと思います。

しかし常日頃協力会社を大切にした経営をしていたとしても、リーマンショックの様な非常事態に正しい振る舞いが出来る会社はどれだけあったでしょうか。追い詰められた時その人、その会社の本性が見えます。自社は、自分は決してその会社の様な恥ずかしい真似はしたくありません。

言うのは簡単ですが、自社が逆境に強い経営をしていなければ簡単に追い込まれてしまいます。他には真似出来ない仕事を持ち財務体質が強くないと、危機的な状況がやってきた時に外部に負担を強いる事になりかねません。そして何よりも協力企業を自社の一部であり掛け替えのない大切な仲間だとの考えで経営をし、社員の皆さんにも一緒にその関係をどうやって守るかを必死に考えてもらえる企業体質が必要だと痛感しています。道は遠いですが進むのみです。

人財塾3・4期生 株式会社三和製作所 石井康文

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