No226 過去の受賞企業から ~第9回日本でいちばん大切にしたい会社大賞より⑥~

2019年、第9回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞では20社が受賞されています。

今週は第9回の日本でいちばん大切にしたい会社大賞受賞企業20社の中からホームページが印象に残った株式会社ボーダレス・ジャパンさんをご紹介致します。

 https://www.borderless-japan.com/

株式会社ボーダレス・ジャパンは、社会問題をビジネスで解決する「ソーシャルビジネス」しかやらない会社です。

新しい起業家を育て、新規事業を新会社として世の中に送り出しています。すでに国内・海外や分野を問わず30以上のソーシャルビジネスを展開しています。

立ち上げる事業は、全て独立採算の企業として起業し、売上追求ではなく、解決したい社会問題に対するソーシャルインパクトの拡大を行います。

●私たちの考え方

このページには「定款前文」が記載されています。

いままで見てきた企業ホームページに、定款やその一部が明確に記載されていた記憶はありません。

ボーダーレス・ジャパンのそれを見たときは、驚くとともにその正しさに共感しました。

少し話はずれますが、どの企業にもある就業規則を入社前に読むことができる企業はほとんどありません。

いい会社の中に数社あると記憶していますが、定款前文を記載することは正に企業としての姿勢を示しています。

そしてこのページには8項目の考え方が明記されています。

どの考えも挑戦的で、従来の企業姿勢を根底から覆し、世の中を自分たちで変えようとする起業家精神を感じます。

●新しいソーシャルビジネスをサポートする仕組み

同社は常に起業家を募集しています。またボーダレスアカデミーを運営していて現在第10期エントリー(9月15日締切)を受け付けています。

社内のハードルをクリアして起業を認められた事業は新しいソーシャルビジネスとして立ち上げられます。

そしてそのサポート体制も充実しています。

「恩送りのエコシステム」

黒字化した事業が恩をおくるように、各社の余剰利益を共通のポケットにためて、新しいソーシャルビジネスの投資資金にしています。

「スタートアップスタジオ」

各分野のプロが事業立ち上げの際に必要なサポートをする機能です。

「バックアップスタジオ」

資金調達・経理、人事・労務、法務など経営に必要な要素をバックアップする機能です。

ホームページを数時間程度拝見した限りですが、記載された内容はとても分かりやすく充実しており、本気で起業を目指す人にとってボーダーレス・ジャパンは失敗のリスクを極力下げられるありがたい存在となります。

さらに起業後もさまざまなサポートがあり、経営者をボーダーレス・ジャパンがバックアップする体制が見えます。

創業してから5年間存続する企業は20%、10年間存続する企業は5%、30年間存続する会社はなんと0.1%にも満たないというデータがありましたが、同社のような企業姿勢と行動では大きく成果を上げられるだろうと実感しました。

***補足***

この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

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